ケララに魅せられて。その1 | O.S.D.さり オフィシャルブログ powered by Ameba

ケララに魅せられて。その1

恒例のいきなりインド国内旅行わかってます行きたくないんです本当は。
の2015年第一回は、南インドの代名詞、ケララへ行ってきた。
ムンバイを出た瞬間オートはメーターを使わないし、
完全に塩だし、
電波も無いから右も左もわからないし、
どうせまあまあボラらて、
例に漏れず、
また旅に出た自分を呪うしかないこともわかった上で敢えてだ。

たくさんの日本人とほんの少しの外国人と、
世界一素晴らしい日本と世界一様子のおかしいインドのお陰で、
無事誕生日を迎えさせて頂いた折。
1年頑張りましたのご褒美と、
いやそれがご褒美と言うか試練なのはわかっているんだけれども、
もうすぐインドから撤収したらなかなか来れないので今のうちに、
お休みと週末を利用した弾丸ツアー。

まだ真っ暗な早朝にもう慣れたもんです、我が物顔でムンバイの国内線ターミナルに、
もちろん1ルピーたりとも現地のインド人と相違ない運賃を払って到着、
1ルピーまで正確にお釣りをもらって着いたのに、
国際線ターミナルから出発なんだよーと言われる。
出た。エアインディアの魔法。
エアインディアミラクル。
エアインディアのあの日の奇跡。
全エアインディアが泣いた。
安定のエアインディア。

国際線ターミナルへは歩ける距離ではないので、
その辺のタクシーで向かおうとするものの、
なぜかムンバイで、空港だけはインドルール、
メーター?あ、これ飾りなんです!使ったことないんです!
だから適正価格の5倍払ってね♡
のルールが適応になるらしい。

ムンバイで言い値に妥協するほど私は落ちぶれていないし、
即キャンセルしてオートリキシャに乗り込むんだけれど、
全く同じ状況の欧米っぽい小さいおじさんとシェアすることにした。

オートはオートで150だ、と言うのでもう走り出しているのに
いや100だ、150だの応酬が終わらないまま国際線に到着。
普段なら30ルピーの距離だし、
運転手は150ね、って言うんだけど、
100ルピーと多分言われた本人は理解しない様な罵倒だけ残して立ち去った。

人としてひとつ強くなって、
日本人としてひとつ落ちた。

そしてそのジョンとかふざけたあるあるな名前を名乗るアメリカンが、
え?安くなったんだ?じゃあ俺大きいお金しか無いし知ーらね、的な態度だったので、
お釣りやるからちゃんと払えコノヤローと言ってちょっと説教して気まずいまま空港で別れた。
ネイティブの年上にYou have
to!のハフトゥーのとこを強めにしてちょっと怒ってみた。

私は今でも原爆投下を正当だとは思っていないし、
先の大戦から奴らの言いなりになってきた日本を変える第一歩ではないか。
いつまで搾取されて、
基地だなんだって好き勝手されて黙ってるつもりだ。
立ち上がれ、ニッポン。
ニッポン放送。

そしてバタバタしながらも2時間ほどでコーチン着。
インドのほぼ南端まで来てしまった。
すでにムンバイより暑い。
季節感をとっくに失ってしまった私でもさすがにおかしくなりそう。
エルナクラムの長距離バススタンドまで行くのにもまたオートのドライバーともめて、
最初に金額ではなくキロあたりの額を言われてその距離を最初言われたより長く計算してくるとか言う初めてパターン。
あ、そんなボッタクリあるんですね、新しい!斬新!
な南インドの洗礼に対して、
朝と同じく言われた額より少なく渡してプンプンしながらバスに乗り換える。
もはや契約も何もあったもんじゃない。
あっちはあっちでボッタクリだしこっちはこっちで言われた額は払わない。
嫌いや、嫌い。
インド人、嫌い。
塩。
ボッタクリとインド人と塩。





ここから3時間半のバス旅、地元のローカルバスで、
硬いシートとガンガンに攻めてくる隣のおばさん達に蹂躙されながら、
代わり映えのしない田舎道をさらに南下。
途中で何度かもう永遠に着かないんじゃないだろうかと言う錯覚に陥る。
自分がどこにいるのかもわからない、言葉も通じない、
そんな場所を旅なんてするもんじゃない。
さらに言わせてもらえばパッケージツアー以外の旅行なんてつらいことしかない。



そろそろ私の心の中ではネガティブから一周回って瀬戸内寂聴先生が語りかけてくれる様になる。
半分寝ている。
で、コーラムと言う謎の街にやっと着いた。
ここから明日、船でアレッピーまで北上する。
このバックウォータークルーズが今回のメイン。
こんな護送みたいな、マクドより硬い椅子でバスで南下して、
そのバスで通った途中のアレッピーまで、
明日8時間掛けて船で戻るて、
移動するために移動するて、
私はもうどうかしている。
そうです、私が変なおじさんです。

バスを降りて翌日のクルーズ予約を済ませ、
口コミで評価の高かったそこそこ良いホテルにチェックイン。
私はホットシャワーのためならお金を惜しまないと決めている。
だいたいこれは三つ星か四つ星かで別れる。
三つ星までは出ればラッキー。
四つ星からは、ほぼ出る。
そもそもホットシャワーが出ないことの方がスタンダードなのはこれは国民総出で壮大な修行中とかですか。
すでにフラフラなんだけれども、せっかくケララに来たので、
アーユルヴェーダへ。


この、アーユルヴェーダはインドでもケララが特に有名で、
ムンバイの半額ぐらいで受けられる。
そして、気付く。
これ、恥ずかしい。
全裸で2人の人にあんなとこやこんなとこまでマッサージされるのって、
恥ずかしい。
それに今まで何度かアーユルヴェーダはやったけど、
今回は施術後の体を洗うのまで全部やられた。
ひどい。私もう大人なのに、
こんな屈辱ってない。
もうやらない。決めた。
アーユルヴェーダもうやらん。


外に出ればボッタクリと暑いのといつも通りの視線とで、
お外怖い、
お部屋が1番安全!
引きこもり最高!
インターネット最高!
Wi-Fiないけど!
なので疲れきった私はルームサービスで安全そうなものを食べてさっさと寝た。
ちなみにホテルにもお酒はないし街にも一軒の酒屋も無い。
あんたら、シラフでこれですか。
シラフで水シャワーに甘んじたり外国人騙したりするんですか。
もうなんなんですか。
できればこのまま日本か、せめてムンバイのおうちに帰りたい。
インターネットと自炊した安全な和食とビールのある、
ブラジル人の待つムンバイに帰りたい。
もしくは先進国に行きたい。






ところであけましておめでとうございました。
やっと本厄を終えまして、
無事色んなことに感謝しながら新しい2015年と、誕生日を迎えました。
ケララで見たこと無い大きな虫に噛まれて右腕が腫れ上がろうが、
左手までなぜか腫れてきていますが、
何とか生きていて、
もうすぐ会える日本の皆に思いを馳せている。
日本のことばっか考えている。



さよなら渓谷/吉田修一

叙情的なのと叙事的なのとどっちも強烈すぎて、
とっても疲れていたのに一晩で読破。
吉田修一ばっかり読んでいる。

過去の間違いとか、
後悔とか、
人間なんてそんなのばっかりで、
それでもみんな一生懸命生きてるんだからなー。
って思ったり思わなかったり。

この本を貸してくれた人と近々無制限飲んだくれオールナイトをすることがとても楽しみ。

アル中ではない。