ある長い週末について。 | O.S.D.さり オフィシャルブログ powered by Ameba

ある長い週末について。

長いです。
今日のブログ。
今年はもうこれで書けないかも知れない。

ハードコアな新年の幕開けでした。
さすがslipknotを子守唄代わりに聞いて育っただけはある、私。

本当に大切な姉であり親友であり、
保護者で弟子でパトロンで、
そんなソウルメイトみたいな女がやって来た。
そうか日本はお正月休みなのか。

成田までの道程で、スーツケースの鍵を落とし、
それをダウンジャケットの素材のせいにしていたけれど、
間違いなく彼女は東日本中のおっちょこちょいを集めて、
三日三晩寝かせて、その上澄み液に、
注意欠陥と言う言葉を混ぜて天日干しにした様な人間だから、
まあそこがかわいいんだけど、
最近はどうやら右脳がバカになっていて、
左足だけをやたらとケガするらしく、
頭は良いんです、偏差値は。
だけどとにかく色々やらかしてしまうわけ。
スーツケースの鍵は何とか日本の民度の高さに救われて戻ってきたらしいが、
私のことが好きすぎてアホほどお土産を買ってくれたのはいいが、
重量オーバーで大金を払わされ、
残金40円で空港で何時間も待ち、
さらに空港が停電する様な地獄みたいな国だから、
うちに着いてからも次の日は世界遺産がいっぱいで入れず、
だからってガイドブックには入ってはいけない、と書いてあるスラムに単身殴り込み、
小学校を覗き込んだりと日本なら通報される様なことをやってのけ、
この好奇心はとどまらない。
先述の通り、グランドハイアットで一緒に年越しをしながら、
お互い40になって結婚できなかったらもう足掻くのはやめて、
養子を取って、暖かい国に住もうってなって、
そんな喪女だから、
そんなこと言いながらも、
一人でだって私も彼女もインターネットがあれば本当は生きていけることもわかっている。

翌日から一旦別行動をすることになっていて、
早速飛行機の遅延で彼女は目的地にたどり着かず、
1日予定がズレて、
やってきた世界一エロい世界遺産、
最新のデジカメが捗る、捗る。
暇なおっさんに一日中付きまとわれ、
人の良さに付け込まれ付きまとわれ、
獣姦の彫刻も無事見つけ、
次の日は次の日で話しかけてきた普通の兄ちゃんに、
家族を紹介され、
睡眠薬上等でチャイをご馳走になり、
次の目的地に僕も連れて行ってくれないかと愛の告白を受けたり、
(この姉ですが基本的にお顔は綺麗。
海外でもよくナンパされているのだ。
あとおっぱいも大きい。ただしおっちょこちょいが過ぎる)
そのまま無料でバイクで案内をさせてしまうあたりは小悪魔だしロックだ。
ロッキン小悪魔。
いや年齢的にもう悪魔で十分。
ロッキン悪魔。
早い話がデーモン閣下的な位置だろ。

海外慣れしていて、
私より全然海外に慣れているはずで、
多分今までに私と一緒には6か7カ国だろうけど、
1人でも余裕で南米とか攻めちゃうし年に3回以上は飛ぶ。
本当とにかく旅行なんて慣れているはずなのに、
行動が琵琶湖より東のこと知らないんですかってぐらいの無防備。
某国でパスポートと携帯と財布とカード一式パクられ事件はまだ私の中の伝説だ。

さて、とにかくそのエロい村で過ごした後、私とまた合流、
そこはお互い初めての街ではないから、
ゆったり周りながら、
その街で1番のホテルでにわかセレブ気取りで過ごした。

本当にめちゃくちゃ楽しかった!

んだけれども、
やっぱりお姉は注意欠陥なもんだから、
捗ったデジカメの画像を全部消してしまったり、
前述のバイク野郎がわざわざ本当に追いかけてきて
(飛行機で移動する距離を!)
死ぬ程びびったり、
黒焦げの死体ならそこでは良く見かけるのだけれども、
今回初めてぷっくり膨れて真っ白になった水死体を見てしまったり、
朝食が豪華でおいしかったり、
5年目にして初めてルーフトップのレストランを見つけたり、

ルームサービスで飲んだくれたり、
冷蔵庫が壊れてたり、
ボートも乗ったし祈ったし、
2日続けて腕に何かしらを巻いてくれるおっさんの寺に通ったり、
超かっこいい灰かぶり神に手紙を渡したり、
モノマネ大会してみたり、
とにかく楽しかったんだけれども、
最終日は自分の情けなさとお姉が帰る寂しさとで今年1番泣けた。
今年ってまだ数日しか過ぎてないけどとにかく泣けた。

かいつまんで言うと、
空港でお姉だけが監禁されてしまい、
その後のカレー屋さんやお買い物の予定を全部キャンセルせざるを得なかった。
お姉ともっと話したいことあったのに。

1時間ほどゴネて泣いてスッキリして、
1人でバザールに出てご飯を食べて、
さあ私もおうちに帰ろう!とした。

ここからが長い。

華麗にチェックインを済ませ搭乗、
機内で1時間ほど待ったところで、
突然のアナウンスはどうやら、
霧で全フライトキャンセルでーす!ごめんちゃ!
と言っている。

なにこれ超ウケる。

懲役中の懲罰じゃん。

脱走用の穴掘ってるのバレて独居房でゲイの監視官から辱められてんじゃん。

もう何が何だかわからんまま、
さっきまで居たターミナルにまた戻されて、
フライトキャンセルの長い列に並ぶこと1時間。

これはロシア美術館で並んだあの2時間の次に辛かった。
あの時はお姉も居た。
だけど今日ここに居るのは必死で何かを話しかけてくる推定年齢28歳ぐらいの坊やだ。
そして何を言うとるのかわからん。

朝まで空港で待てと言われても私はそのシリーズの人類じゃない。
続編の方だ。
そんなのは絶対やだよー神様もきっとーびっくりーひーとってお前みたいにできてないー
今世紀最大の突然変異ーってぐらいに私はワガママです。

そして何かを話しかけてくる坊やを振り切ってタクシーに乗り込む。

そう、空港近くによく泊まる快適で安いホテルがあるんだから。
ここは私の庭!
アルプスは私のふるさと!
北陸だけは思い入れ、無し!
行ってよドライバー!
いつものモーテルへライドン!
アメリカンロック!







前が、見えないね?
おじいちゃん。

真っ白ですから。外。

ファンキストのみんな、白い世界ってこうゆうことだよ!
溢れるほどの感情よりただただ漏れ出るため息だよ!

時速15キロほどで進んで、そして、



タクシーは迷子になりました。


あかん


死ぬ。


ここでレイプされて薬づけされて売春宿に売られて
源氏名を舞妓はんにしたって私なんておっぱいまだ工事前だからお金んなんないよ!
やめときな!

そして悲しそうな声でおじいちゃんはもうどこも行けない、とゆう様なことをつぶやいた。

外は真っ白♡


と、そこに突如現れたガタイのいいおっさん数人。
あわわわわわわわあかんあかんあかんもう私の操も終わった詰んだ
30年純粋無垢に綺麗な体を守ってきたのにこんな形で汚されてしまうなんて...!!
大和撫子として、陵辱されるくらいなら、
最後までこの誇りにかけて、私は舌を噛み切ってやるんだわ!!!






ガードマン達はそして車を誘導して、
半泣きの私にドンウォーリーと繰り返して、
エントランスに辿り着く。
どうやら真っ白すぎて何も見えんけど、
大きなホテルの前だったらしい。

もはや財布の紐なんてとっくに切れている。



お金<安全


おねがいしますどうか一晩だけ泊めてくださいまし、お侍さま。
お礼に布を織りますゆえ。
その代わり、決して中を覗かないで、下さいね。


そして人生初の憧れのマリオット滞在は、
たった5時間、くたくた、1人っきりでとなりました。
奇跡のコスパの悪さ!私ほんと頭悪い!

めっちゃきれいなお部屋ー!
いややー!ここでゆったりしたいー!
もう帰りたいけど帰りたくないー!うわああああん

ん?

全フライトキャンセル?


お姉!!

も案の定、日本に戻れなかったとの報告。
しかしお互いこの霧でどこかにたどり着けるわけもなく、
こんなにも近くにいるのに、
愛する人と引き離されたまま夜をやり過ごした。
こんなにも、こんなにも近くにいるのに!!!
あんなに近くにさわれたのに!
もうこんなにも遠いよ!

そして無情にも朝はやって来て、
同じ空港へ向かうドバイに住んでいるおっさんにこの哀れな三十路の日本人も一緒に乗せてくれんかとお願いし、
最初の便を待てども待てども霧は止まず、
6時間後の便を何とか確保し、
そこで気付いた。





私、前厄じゃん。



きゃーーーーーーー!

それだそれだそれだ絶対それ。
絶対それ。間違いない。

11月に大宮八幡宮で年明けは来れないから、
前倒しでお願いしたのに!
ああでも年明けからやっぱりカウントかなぁあーどーしよー!
神様仏様モハメドなんとか様ー!



そして私はしっかりとした足取りで、
カフェに向かい、
テーブルの塩を数グラム盗んだ。

その塩を握りしめて、向かったのだ。



間違いない。
これしか無い。
もうこの方法しか無い。


セルフ厄除け。






幸いムスリムと時間がズレて1人で集中して八百万の神に祈ることができた。



そうですね、
頭に何かしらのdifficultyを抱えているとしか思えないでしょう。

半分はもうネタ感覚ですが
半分は本気。

祈るということの意味を見失ってしまった日本の皆さん、
あなたの心に、いつだって神はいるのです。
なんまんだ

そして私はNHK教育に出てくる一人っ子よりもワガママなので、
硬い椅子でそんな何時間も座れない。
また魔法のカードを空高くかざしながらラウンジに潜り込んで残りの時間をやり過ごした。

今なら言える、心から言える。

パンが無いならケーキを食えばいいじゃないっっ!
飛行機が飛ばないならマリオットに泊まればいいじゃないっ!
飛行機が遅れるならラウンジに入ればいいじゃないっ!


こんだけ謙虚なら私も今年はもう大丈夫そうだ。
だいたいの厄は、みんなの分まで払っておきました。

安心して、世界一の国で、
愛する人たちを大切に、
何より自分を大切に、
楽しく過ごして下さい。


私だって本当に帰りたくなってしまった。

もうあのまま帰りたくなってしまった。

もうやることやること全部裏目で、
ツイてなくて、
そこに理由を求めでもせんと納得が全然いかんで、
懲役とかここは地獄とか言い過ぎたからやとかもう目に見えないものの話になって、
24時間掛かっておうちに着いただけでちょっと泣きそうになってしまった。
そんな時間があれば、みんなのところにだって行けてしまうではないか。
何もかもそこにあるのに、そこにまだ帰れないなんて。
食べたいもんや会いたい人や買いたいもんがアホほどあるのだ。
なのに勝手に自分で判決を下した懲役がまだ終わらないなんて。
何でこんなアホみたいな所でしんどいことばっかしてるんだ。


ってぐるぐる考えて結局行き着いたのは、
くぼちゃんにしたって姉ちゃんにしたって、
大好きな人がはるばる来てくれて楽しい旅行があって、
たまたま思った通りに行かんことが重なって、
それでこんな参ってしまうって、
ほんと普段思い通りにばっかりねじ曲げて、
やりたい事ばっかして、
好きな人としか関わらんくて、
毎日お腹いっぱいで、
心臓が正しく脈を打ってくれて、
毎日清潔な暖かい場所で寝てるもんだから、
幸せって感じられるハードルが高く設定されてたもんだわ。
もうだいたいそろってるから、
抜け落ちると目立つこと目立つこと。

またここにあるものが当たり前病にかかっていたのを、
色んなものが教えてくれたってことにしとこうかなー。





なんちって。

体の60%は水分で、
残りのほぼ全部が煩悩でできてる様な私が何を言ったところで、なんだけれどもが。



とにかく負けてへんからな、全然!
頭おかしくなる様な場所でオレ負けてへんからなっ!
今も食中毒やし変なお祈り聞こえてくるけど全然負けてへんから!


だからあなたもちゃんと幸せでいて下さい。

Ich liebe dich