英国ロンドンにしばらく滞在することになったので、日本にいる間にロンドンでの住居を探しはじめ、渡英前に何とか契約にこぎつけた。以下はその備忘録である。英国への留学が決まっている方への何らかの参考になればと思います。なお、ここに記す情報は必ずしも確かではないかもしれませんので、あくまで参考程度にして、必ずご自身で確認するようにしてください。

 

0.家族で渡英し、子供を現地校に入れるため学区にはこだわる必要があった。また、ちょっとタイトな金銭的制限に加えて、ほかにも制約条件があったので、条件に該当する物件はかなり限られてくることが明らかだった。さらに悪いことに、何故かはわからないが、2023年はロンドン市内の賃貸物件数は以前と比較して非常に少ないという状況であるらしかった。

 

1.物件を探すために、いくつかの日系不動産会社や現地不動産会社に条件を知らせて、紹介してもらえるようにメールで連絡した。日系不動産会社のホームページに掲載されている物件をみてみると、現地不動産会社のものと比較して、手数料も含めて、当然ではあるが割高なようであった。

 

2.同時進行で、ZOOPLA(https://www.zoopla.co.uk/)というイギリスの物件サーチサイト(日本でいうとSUUMOのようなもの)で条件に合致する物件をいくつか見つけ、それらの物件を担当する不動産会社に連絡をとった。日系不動産会社が紹介する物件は、まずほとんどZOOPLAには掲載されていなかった。連絡をとった大部分の不動産会社からは何らかの連絡があったが、それはVIEWING(内覧)をリクエストしたときだけだった(物件の情報を聞く程度では無視された)。私は日本にいたので、Walk-through viewのビデオを実際の内覧の代わりとしてリクエストした。いくつかの現地不動産会社からは、現地で直接内覧しないと契約できないといわれたこともあった(ただし、友達か誰かが代わりに来ればOK)。  

 

3.物件を探してもらうよう依頼した日系不動産などからは、私が知らせた条件が厳しかったためか、ほとんど紹介物件の連絡が来なかったので、途中からはZOOPLA(https://www.zoopla.co.uk/)を使って自分で真剣に物件サーチを始めた。そこで気づいたのが、Openrentという実店舗を持たない(?)不動産会社が非常に多くの物件を扱っているということだった。

 

 

 

その宣伝によると英国で最大数の物件を扱っているということであった。実際、ZOOPLAで検索して出てきた私の条件に合致した物件に関しても、Openrentが扱っているものが半分以上を占めていた。通常の不動産会社と違い、OpenrentではTenant(テナント)に対して一切手数料はかかからず(すべて無料)、Landlord(家主)に対してもかなり安い料金でサービスを提供しているようである。すべての手続きはWEBで完結できるようになっていた(契約書へのサインも含めて)。Openrentは、家主とテナントをつなげ、お互いのやり取りをスムーズに行える(後述する)WEBアプリを提供している。家主もテナントもこのアプリを使用して必要な情報交換、交渉、契約を行う。物件の写真や情報なども家主が直接WEBにあげているようである。

  Openrentは通常の不動産屋が行うように家主の物件をいちいち確認することはしないが、家主の身分確認など、必要最低限のことは行っているようであった。また、契約するために必要なデポジットと最初の月の家賃の事前支払いは、テナントがカギを受け取ってから2週間後ぐらいにOpenrentから家主に支払われる仕組みになっていたので、持ち逃げなどの心配もなかった(ただし、これはOpenrentのプラットホームアプリを使用している場合のみで、使用しなくても良い)。

 

4.Openrentのシステムは非常に効率的で、それほど複雑なことは要求されず、ITに拒絶反応のない人ならば簡単に利用できるが、英国に現在住んでいない外国人にとっては以下のようなハードルが存在する。

 

  a) ある程度の英語力

交渉や質問などは家主と直接Openrentのメッセージ機能を使用してやり取りするため。

 

  b)英国の固定電話番号

これは、世界の各国の地域の電話番号(下記リンク)を取得することができるスカイプ提供によるサービスを利用して、英国の電話番号を入手できるのでクリアーできる。英国の電話番号がないとOpenrentのアカウントが正式に認証されず、契約に至るまでのOpenrentのシステムを使えない。 

 

 

 

 c) 現地(英国)の銀行が発行したデビットカード

これは非常に高いハードルである。現地に住所がないと銀行口座が開けないし、現地銀行が発行したデビットカードがないとOpenrentで家を契約して住所を得ることができない。最近世界中で使用者が急増しているWISEを使用すれば、ポンド建ての銀行口座を持ちダイレクトデビット機能を英国内で使えるようになる(?)が、私が日本で作成したWISEのカードは、現地のデビットカードとして認証されずOpenrentでは使用できなかった。現地銀行が発行したデビットカードがないと、Holding Depositが払えない。OpenrentではHolding Depositを支払ってから、その物件に対する契約プロセスがアプリケーション上でスタートする。このアプリケーションプロセスは”RentNow”とOpenrentでは呼ばれている。

  私と家主は契約を本格的に始めようという段階になり、初めてこの問題を知り、Openrentに対応策を聞いたところ、「私が英国に住む他の誰か(友達や親族)のデビットカードの情報を使用してHolding Deposit支払う」か、「Openrentのアプリケーション”RentNow”を使用せず、今後は金銭のやり取り、契約書の作成などを含めたすべてのプロセスを家主とテナントだけで進めていく」の2通りということであった。後者はカギを受け取る前に金銭のやり取りをすることになるのでこの方法はとらずに、前者の方法をとった(幸い英国に親しい友人がいた)。具体的には、私のOpenrentにサインインするためのIDとパスワードを友人に教えて、私の代わりにサインインしてもらい、友人のデビットカードを使用して支払ってもらった(この方法なら私が友人のデビットカードの情報を知ることはできない)。なお、OpenrentへのサインインにはGoogleのアカウントを使用してできるので、このために新たにGoogleアカウントを作成した。

 

5.その後のプロセスは非常に早く進み、Openrentが提供する"RentNow"のサービスを使用し、まず家主がすでに用意されている標準的な契約書の書式にいくらかの調整を加えて契約書を作成し、私がそれを読み、納得したらサインをする。これで終わりである。契約書に家主と私がサインすると、Openrentから契約合意の連絡とともに、必要な金額をOpenrentの口座に振り込むように連絡がくる。この最後の支払いは銀行間の国際送金で行うことができる。WISEを使用した国際送金は、為替や銀行手数料も含めて、通常の銀行間送金と比較して非常に安いので(おそらく80%以上安い)、WISEを使用した送金方法がOpenrentでは詳細に説明・推奨されていた。私は既にWISEアカウントを持っていたので、数分で送金が完了し、それが済むとすぐに賃貸契約が有効化された。家主もOpenrentを使用するのは初めてのことだと言っていたので、少々もたついたが無事に契約できた(もちろん会ったことも話したこともなかった家主だったが、非常に親切で優しい方だった)。

 

 

最後におまけ

 

Openrentを使用しなくても、もし海外送金のためにWISEを試してみたいようなら、以下のリンクからWISEにアクセスして使用すれば特典があるようです。リンクは私宛にWISEから送られてきた友人などにWISEを紹介するためのリンクです。

 WISEカードは海外旅行でも非常に便利で、お金を入れておけば現地でタッチ決済でき(自動で両替)、為替レートや手数料の面でクレジットカードよりもかなり有利である。また、為替レートが優位なときに事前にWISE内で日本円から両替してWISE口座に現地通貨を入れておけば、現地でWISEカードを使用して買い物や現金の引き出しが有利にできる。私はヨーロッパ数か国でWISEカードを使用したが、問題なくどこでも買い物に使用できた。当然、日本でも使用できる。また、例えば米国で買い物をする時に十分な米国ドルがWISE口座にない場合は、既にWISE口座に持っている通貨のなかで両替手数料が最も安くなる残高からドルへ自動的に両替され使用される。なお、カード使用に関する情報(使用金額や店舗名)は数秒でスマホのWISEアプリに情報が転送され確認できる。最後に注意点として、WISEは預金保護の対象外(?)だと思います。

 

WISE(https://wise.com/invite/efwc/toshihiroo40