先の自民党大会で高市首相は「憲法改正、時は来た」と改正発議に意欲を示した。
わが国で憲法改正と言えば真っ先に「九条の見直し」を指す。今のところ「戦争の放棄」を定めた一項を変えようという主張は自民党内には見られないが、自衛隊組織が戦後一貫して曖昧な立場に置かれ続けている現状を変えるべく戦力の不保持を定めた二項を改正しようとする動きが活発だ。
私自身も気持ち悪い二項は削除するのが適切と考える一方で疑問は高市首相にそれが出来るのか?と半信半疑である。
今の日本人の多くは戦争に巻き込まれることに否定的な想いだろう。ネタニヤフに唆されてトランプが始めたイラン侵攻。米側のホルムズ海峡への派兵要請に対し、わが国民の多くは反対している。停戦あるいは終戦後の機雷除去の役割なら兎も角、今同地は戦闘状態だ。そんなところに自衛隊を出そうものなら明らかに憲法違反。
ところが高市首相はトランプに気に入られたいが為、派兵要請に答える気がマンマンだったらしい。周囲に全力で止められたらしいが。
憲法改正。それがわが国民のためになるものなら変えるべき。ところが高市首相の動向を見るとそれは国民では無くトランプを意識しているとしか思えてならない。
確かに衆議院の情勢を見れば自民党が圧倒的多数。改正発議に必要な「両院三分の二」のうち衆院は問題なさそうだ。しかし参院は未だ自民党は少数与党。何よりその後の国民投票で過半数を得られるかだ。
そのためには何より国民に「なぜ憲法を変える必要があるのか」丁寧な説明が求められるし、かつて侵略した東アジアの国々の理解も必要。
そのための適任は石破前首相だと思っていた。ところが経済対策で機を逸し支持率低迷、高市にとって代わられた。就任後の彼女の動向を見ると軽いというか勢い任せというか、対米従属の度が過ぎるというか。それで果たして国民の理解が得られて過半数を得られるのか?
今回、高市内閣が憲法改正に失敗すれば当面の間、九条二項の修正も出来なくなるだろう。そっちの方が心配である。
もう一つ。自衛隊は国民のための軍、国防軍であって「皇軍」だ。決して高市のための、自民党のための「幕軍」では無い。


