もう来週には24歳になっちゃうって言うのに、23年間自分が先天性の発達障害だって気付けないで無駄に過ごしてしまった感が否めない。


私普通に生きてきたつもりでいたけど、大人になっていく度にどんどんどんどん生き辛さが増していって。

自分の生活はこれが普通で、自分は人よりちょっとだけズレてるだけで、そんな人本当はいっぱいいて、自分はちょっとだけ、ほんのちょっとだけ違う景色を見てるだけなんだって思ってた。


私は生まれたときから左利きで、いまも左利きのまま。初対面の人には必ずといっていいほど「左利きなんだね」とか「ぎっちょなんだね」っていわれてきたけど、それって右利きの人からしたら不思議な現象なんだよね。それと同じで、私も皆のことが不思議だなって思うことがよくあるんだけど、それって所謂普通の人で言う「あたりまえ」が私にはできてなかったってことだったらしい。


例えばわかりやすくいうと片付け。

やれっていわれても、漠然としすぎてわからないから、洗濯なら「洗濯機回して、30分後に乾燥機にうつして、三時間後に乾燥機から出して畳んで自分の部屋に持っていっておいてね」っていわれないとわからない。

むしろ細かくここをこうやってこうしてね。って言われれば大抵のことはすぐこなせる。一度覚えた仕事は忘れないし、昔から暗記科目が得意だった。


数学が難しかったなあ。公式自体に疑問を覚えて先に進めないの。

人の話もそう。相手がぺらぺらしゃべってるんだけど、まじめに聞いてるんだけど、その話の中の途中に気になることが出てくるとそこから先の話が聞こえない。聞こえてるんだけど、もやっとぼやっとしてて、理解まではしてない。雑音と一緒にはいってくるだけでぜんぜん集中できない。

二人で話してても隣の人の話とか向こうの席で話してる人の話が耳に入ってきて、近い人の声が聞こえなくてそっちの会話ばかり聞こえてしまう。


もちろん、集中しなきゃって思ってる。でも自分の頭の中では皆が思ってる以上にものすごいスピードでたくさんの情報を同時に処理してるんだよ。

中学校くらいまでって皆喋ってるから、先生の話なんかぜんぜんきこえなくて、成績は全教科最悪だった。プリント配られたことも宿題出されたことも知らなかった。たぶん、雑音の中に先生の声は混ざってたんだろうな。

高校入ってから皆喋らなくなった。そしたら授業内容がするする頭に入ってきて、急に成績も上がった。雑音がないからだ。(但し隣のクラスが英語の授業とかでラジカセつかってる時はそっちが大音量で聞こえてきて全然先生の話きこえない)

そっから一人でいることが多くなった。移動中に必ずノイズキャンセリングイヤホンとipodを使うようになったのもそれくらいのころからだった気がする。

幼稚園のお遊戯会で待機時間中に砂いじり始めてたら、自分達の出番になって皆がどっかいっちゃってもやめられなかったこと。というか、皆寧ろどこにいくんだろって思ってた。

ちっちゃいころからずっとズレてるんだ。


たぶん小学校高学年くらいで自律神経失調症っていわれたんだ。

そっから薬を飲みだした。

一向に効く気配のない薬を飲みながら、なんでか上がらない成績や片付けられない部屋を毎日怒られながらどこにも逃げられないで毎晩泣いてた。

いまでは人にばれないで泣ける。映画館とかでも泣いてる感ゼロで泣ける。涙だけぼろぼろでてくる。


高校二年生のときにぶっ倒れた。言葉のとおりにぶっ倒れた。

拒食症になった。一週間で10キロ痩せた。学校も一ヶ月くらいいけなかった気がする。

うつ病と診断された。

三年生になるころにはリストカットと躁鬱が激しくなりすぎていつも腕にサポーターをつけてた。

スタジオに入ってもよくわからない苦しさに急に襲われて、ギターを抱いて泣き出したりして皆に心配かけた。

「どうしたの?」って聞かれても、どうしたわけでもなくて自分でも何がつらいのか何が苦しいのか全然わからなくて、結局たどり着いた答えは「生きてるのがつらい」だった。


大学に入っても悪化する一方で、境界性人格障害といわれた。

診断書には「重度の睡眠障害」とも書かれてた。


今でも睡眠薬(入眠剤では耐性が出来上がりすぎてて微塵も効かない)は大親友。


薬局でブロンを見つければODして、そこに刃物があれば腕でも足でも切って縫って、ひも状のものがあれば首を吊る。

そんな生活の中まともに働けるわけでもないから夜の世界に飛び込んで、酸いも甘いも見て、なんとかここまでやってきた。


今になって先天性の発達障害でした。っていわれて、納得できるわけもない。

だけど納得いくだけの条件はそろってて、納得して生きていくしかない。


でもやっぱり生きるのってつらくない?っておもう。

昨日も首吊りして意識飛ぶよって時に大事な人達のことを思い出して踏みとどまってしまった。

これ以上親を苦しめたくないって思いながら、生まれながらに苦しめるだけの人間に生まれてきちゃったからどうしていいかわからない。生まれなきゃよかったわけでもないし、妹の代わりに死ねばよかったわけじゃないけど現状に納得して障害者として生きていけって、これからでも遅くないって言われても、私はもう疲れた。


でもなんでか誰かのために生きていなきゃならない。

少なくとも自分の親が死ぬまでは。