おちゅかれさまです。Osanpoです
今回は、グリーフケアのお話をします。
『ペットロス~グリーフワークのお話~』の続きです。
はじめに
喪失体験は、誰もが経験します
一般的なグリーフは、日常を送りながら、時間の経過とともに、ゆるやかに回復していきます。
皆さんも、経験があると思います。
そして、グリーフにはもうひとつ。
時間薬がなかなか効かない、深刻なグリーフがあります。
グリーフワークに必要なもの
グリーフ当事者は、進歩と揺り戻しを繰り返しながら、時間を味方にして、ココロとカラダを整えていくことになるのですが、このプロセスをグリーフワークといいます。
グリーフワークを進めていくために、大事なのが『ココロの中に閉じ込めている、言葉や気持ちを外に出す=グリーフを表現する』ということ。
そのためには、グリーフを表現できる場所や、相手が必要です
グリーフケア
グリーフワークを、周囲の人たちが見守りサポートすることを、グリーフケアといいます。
『周囲の人たち』と聞いて思い浮かぶのは、家族やお友達ですね。
身近な親しい人たちの間で、グリーフをありのまま表現できて、丸ごと受けとめてあげる。
理想的な、グリーフケアだと思います
この理想的だと思われるグリーフケアの、妨げになる問題があるとしたら?
大切な存在だからこその、思いやりの熱量や遠慮などが挙げられます
理解されない葛藤
落ち着いた?
もう大丈夫そうだね?
私も経験あるから、よく分かるよ。
あとは、時間薬!
次の子をお迎えしないの?
がんばってね!元気出してね!
たとえばペットロスの場合、こんな言葉をかけられます。
善意の言葉だと分かっていても、苦しかった。
急かさないでほしい、一生懸命励まさないでほしい、変化を期待しないでほしい、その時間薬ってやつが効かないんだが…。
大丈夫だって言わないと、
これからも続くんだな~。
そのたびに、
やりきれなくなる。
それはイヤだ
もう大丈夫 !って、
平気な顔して笑っていればいい。
…そうしよう。
閉じ込められたグリーフは、ココロの中で暴れましたね
周囲の認識と自分のグリーフが 、どんどん乖離していくことに、自己嫌悪や焦りも生まれました。
喪失の深さは、人それぞれ違います。
どんなプロセスをたどるのか?どれくらい時間がかかるのか?基準ってものはないから、想像するのはムズカシイですね。
グリーフを経験している人にも、深刻なグリーフは、なかなか理解してもらえないんだなぁ、と感じました。
やさしい気遣いと遠慮、聞き役を担う葛藤
お互い気遣って遠慮してしまい、グリーフをありのまま表現できない。
自分のグリーフを表現することをあきらめて、聞き役を一手に担う。
相手を思うやさしさから、結果的に、グリーフが深刻になってしまうケースもあります
広がるグリーフケアの輪
身近な人がグリーフを抱えていたら、どうしてあげたらいいのか、悩みますよね。
当事者自身にも、ありのままのグリーフを表現できない、葛藤があります。
困ったとき選択肢に入れてほしいのが、第三者のサポートです
グリーフケアの専門家
グリーフに精通している、
医師・看護師・公認心理師・臨床心理士
セラピスト・カウンセラー
臨床宗教師などがいます。
グリーフに理解が深い
専門家の存在は、
心強いですね。
心療内科や精神科をはじめ、
グリーフケア外来
(遺族ケア外来・家族ケア外来)
を設ける病院も、
最近では増えてきています。
教会や寺院に属することなく奉仕活動を行う、欧米の聖職者『チャプレン』をモデルとしています。
日本では、東日本大震災をキッカケに、養成が始まりました。
布教や伝道・勧誘・営利を目的としない、宗教宗派の枠を超えてココロのケアをする、宗教者です。
当事者の集い
当事者の会・グリーフ(ケア)の会
ピアサポートグループ
セルフヘルプグループ(自助グループ)
遺族会・おはなし会など。
当事者や家族や経験者が集って、
お互いの体験や
気持ちや情報などを共有し、
交流できる場所です。
※ ピアサポートについて
当事者と経験者が、ともに支え合う活動です。
ピア(peer)は、仲間のこと。
経験者としてサポートする側も、誰かの役に立つという経験を通して、成長できます。
ピアサポートは『支え合いながら、ともに成長していく』対等な関係を、意味しています。
グリーフケアやピアサポートの活動は、いま注目されていて、大学・自治体・セミナー・ワークショップなど、学べる場は広がっています。
さいごに
グリーフ当事者さんも、まわりでサポートされている方も、がんばって抱え込まないでほしいです。
困ったときは、心強い第三者のサポートがあることを、思い出してくださいね