おもしろいものは広めたいと思うのが人の常。

 

そういうわけで今回紹介したいのが、

現在ジャンプスクエアで連載中、そして最新27巻が発売されたばかりの、

「ワールドトリガー」だ。

 

物語としては

異世界からの侵略者・近界民(ネイバー)と防衛組織・ボーダーとの戦いが描かれている。

 

主人公たちは、このボーダーに所属している隊員として、日々研鑽しているのだが、

 

ジャンルとしては、ジャンプお馴染みのバトルものである。

 

ただ、今までのジャンプ作品とは明らかに異質なのだ。

 

何が違うのかというと、

基本ジャンプのバトル漫画は、ドラゴンボールやワンピースに代表されるように、

 

1対1の戦いが基本である。

時々、強い敵相手に仲間と力を合わせて戦うこともあるが、

そんな時も、複数の味方対一人の敵である。

 

だが、ワールドトリガーの戦闘は、

 

複数対複数が基本なのだ。

 

主人公たちは、ボーダーの中でチームを作り、基本4人~5人(戦闘員3、4人にオペレーター1人)で戦う。

 

それぞれのチームは、敵と戦うだけでなく、仲間のチーム同士でも、ランク戦を戦うことで互いに力を付けていく。

 

そうして、A1位とか、B級3位みたいにランク付けがされていく。

 

この作品は、こういう人におススメである。

 

・キャラクターが大勢出てくる作品が好き。

・世界観やキャラクターの設定は細かいほど好き。

・戦略や戦術、作戦がものを言うという戦いが好き。

・自分だったらどう戦うかという想像をするのが好き。

 

先程言ったが、この作品の一番おもしろいところは複数対複数の、複雑な戦闘である。

 

他のジャンプ作品に多い、11や、強大な1人の敵に皆で立ち向かう系の戦いでは、

 

純粋にどちらの力が上かの比べ合いだ。

 

だけどワールドトリガーでは、戦術が何より大切である。

11人の実力が高いのに越したことはないが、それと同じくらいチームとしての強さが重要視される。

 

チームのメンバーの特性を生かし、いかに自分たちが得意なフィールドに相手を誘いこみ、相手の得意なことをやらせないか。

 

それを、それぞれのキャラクターたちが考えながら動いている。

 

それぞれのキャラは、性格や得意なことが異なる。

それが戦闘と噛み合うと、強烈な個性となるため、最初はキャラが大勢で混乱するかもしれないが、不思議といつの間にか、このキャラは〇〇隊の〇〇だ、みたいに覚えていたりする。

 

さらにこの作品の作者は、設定が大好きなようで、漫画本編には直接出てこない、キャラクター同士の関係性とかもしっかりと作り込んでいる。

 

そんなキャラクターたちが、勝つために刻一刻と変化していく戦況に対応しながら動いているのは、見ていて飽きない。

 

よくあるバトル漫画みたいに、突然新しい能力に覚醒するようなことはない。

自分ができることをいかに駆使するかなので、

「そうきたかあぁぁ~~」

と戦闘の展開の中で何度も驚かせられる。

 

戦略や作戦が大事だから、ランク戦が始まる前の、各チームのミーティングの話し合いからもう楽しいのだ。

 

そう、この作品は少年漫画では珍しい、会議すら楽しいのがすごい。

 

ボーダーは組織なので、戦闘員は主に若者なのだが、当然上層部には大人がいる。

この大人たちも非常にしっかりしていて、常に組織と隊員たちのために運営をしているから、見ていてストレスが無いのは大人の読者には嬉しいかもしれない。

 

さて、戦闘の話に戻るが、この作品の戦闘ではボーダーの隊員たちは、武器を使って戦う。

 

トリガーと呼ばれる武器は、それぞれの特性の合わせて、剣タイプや銃タイプなど種類がいくつかあるが、基本みんな同じものを使っている。

(一部、自分用にカスタマイズしている者はいるが)

 

同じ武器でも、使用者の性格や特技によって使い方が大きく異なるところが、またそれぞれのキャラの個性化につながっている。

 

たぶんワールドトリガーのファンは一度は想像したことがあるだろう。

 

自分だったら、どのトリガーを使って戦うか。

 

接近戦でズバズバと敵を倒す点取り屋になるか。

長距離から敵を仕留めるスナイパーになるか。

 

どんな戦況でも味方を援護できる縁の下の力持ちになるか。

 

火力重視、機動力重視、継戦能力に隠密能力、取れる戦術は無数にある。

 

そんなふうに、自分も作品内に入り込めるのも魅力の一つだ。

 

あえて、欠点を挙げるとすれば、

登場するキャラのほとんどみんな、頭が良く優秀で、冷静に物事を分析できるところだろうか。

 

それぞれのキャラが思慮深いので、あまり衝突することがない。

衝突したとしても、感情的になるよりも先に理論的に理解をするので、後に引きずるようなことはない。

なので人間関係でストレスを感じることはほとんどないが、そこがあまり現実味が無いと思う人もいるかもしれない。

(中学・高校生くらいの子たちがみんな大人顔負けの思考力の持ち主だからね)

 

敵キャラであっても、根っからの極悪人みたいなのは今のところ出てきていない。

「ジョジョ」のような「吐き気をもよおす邪悪」のようなものは出てこないだろう。

 

そんなわけで、「ワールドトリガー」は僕が多くの人に勧めたい物語だ。