やっぱり、比べるというのは、なかなかに扱いが難しい。

 

たぶん、世界で一番使い方が難しい道具が、

この「比較」というやつだ。

 

それを純粋で楽しめるのなら何も問題はないわけだが、

 

やっぱり扱いが難しい。

 

最初は楽しんでそれをやり、自分が上か下かを知っては、これからの力に換えていたはずなのに、

 

いつの間にか、何かの誰かの下になることに恐怖を覚えて、

 

上になったかと思えば、下に向かって強気になってしまったり、

 

でも、上になったと思っていたのは実は単なる思い込みだったり、

 

そして、また下になることに怯えてもがく。そこに楽しさなんて一欠けらもない。

 

他人と比較しないことができれば一番いいのかもしれないが、

 

それでも、自分と他人との違いは意識してしまうもの。

 

比較そのものは大したことない。

問題なのは、そこに上下や優劣、正誤を求めてしまうことだ。

 

だから、考え方を変えてみるのが手っ取り早いと思う。

 

他人と自分を比較するとき、

上下に置くのではなく、横に置くのだ。

 

どちらが上で、どちらが下なのではなく、

ただ、違うものがそこに在る。同じ地面の上に在る。

そういうふうに考えれば、少しは穏やかに受け入れることができるかもしれない。

 

まあ、テストの点数や何かの記録など、

明らかに数字として出てしまっているものは難しいかもしれないけど、

 

でも、人生においてそんなはっきり数値で比較できるものなんて、そんなに多いわけではないし、

 

さらに多ければ多いで、少なければ少ないで、

早ければ早いで、遅ければ遅いで何かしら不都合は出てくる。

 

それも、ちょっとのことで簡単に揺らいでいる。

 

結局は、今しかないのだ。

今の自分、ただそのままで在ることがまず、どんな時でも最初の一歩なんだと思う。