「どんなふうに進化したのかは、まだ言えないってことなんだよね?」


「そう。
それはみんなにも話さなきゃいけないことだから。ここで一人だけに、って出来ないんだ。」


「翔くんがどうなったとしても、俺は翔くんのことが好きだよ?」


「潤・・・・・ごめんな?
本当に・・・・・気持ち悪い事なんだ。
怖いって思うかもしれないし
ついていけないって思うかもしれない。
それでも変わらないままで接してくれる?
俺を・・・好きでいてくれる?」


「もちろんだよ。翔くん。
だって翔くんが魔物だと知ってもなお・・・好きなんだから・・・・・
それを知った時以上に衝撃的な事はもう流石にないと思うよ?」


「確かになwww」








「それよりも・・・」


「ん?」


「ほん、とう、に?」


「ん?何が?」


「その・・・///」





雅紀くんでも
智くんでも
カズくんでも
なく

俺がいい、って・・・

さっきそう言った言葉は・・・本当なの?



翔くん・・・本当、なの?


 





「なに?」


「あ、いや・・・なんでもない。」


「なんだよそれー」


「あはは。ごめんごめん。」







・・・聞けなかった。

だって

何かの間違いかもしれない。

翔くんが一時的にそう思っただけかもしれない。

やっぱりただのお礼なのかもしれない。

過度に期待したくない。

雅紀くんを愛してたのは紛れもない事実だから。






何か雅紀くんとの間に

トラブルでもあった?

卵を産む役割を終えられたということは

人間の精魂を抜き取らなくて良くなったということ。

要するに雅紀くんとも晴れてなんの弊害もなく結ばれるということ。

それなのに俺を選ぶということは
やっぱり雅紀くんを諦めなきゃいけない理由が他にもある?







頭の中はぐるぐる

してるはずなのに・・・

それなのに俺は・・・





そんな難しい事よりもやっぱり

さっきから繰り返されるキスを

もう一度してほしいと欲する気持ちのほうが勝ってた。






考えなきゃいけないことはたくさんあるのだろうと思う。

現に色々考えてしまうのも確か。





でも

それでも・・・

翔くんのそばにいると体も心も熱くなっていく。






「じゃあ・・・帰るね?」


「あ、うん・・・気を付けて。」


「今度みんなを集めて話をするから。その時はよろしくな?」


「うん。」





玄関へと翔くんは進んだ。





「待って、翔くん・・・」


「ん?」




翔くんに抱きついて唇を奪った。




チュッ・・・クチュ・・チュッ・・


はぁ・・・


チュッ・・・チュク・・・







やっと離して翔くんを見つめる。


「ごめん・・・もう一度したくなった。」


「ふふふ。」




少しだけ笑うと

翔くんは俺の頭を優しくポンポンして





そして

帰っていった。