注意:
こちらは山コンビ小説です。
苦手な方はスルーしてください。




店員が静かにグラスを下げて、新しいビールを置いていく。

「・・・どうぞ」

「ん、ありがと」

軽く受け取って、そのまま口をつける。

一口。
喉通って、ふっと息が抜ける。

「・・・はぁ」

もう一口。
さっきみたいにがぶ飲みじゃねぇ。 
ただ、なんとなく手が伸びるだけ。

「・・・飲みますねwww」

「ん?」

顔上げると、翔くんが少しだけ笑ってる。

「落ち着かないから、飲むんですよね?」

「・・・まぁ」


否定はしない。
もう一口。
料理も、ちゃんと食ってる。 でも、その合間に自然とグラスに手が伸びる。


「別に酔うためじゃねぇよ」

「はい」



その『はい』という返事が妙に優しくて、ちょっとだけ視線逸らす。

なんか今日・・・こいつの表情がいちいち優しくて戸惑うんだよ。



「・・・なぁ」

「はい」

フォークを置いて、翔くんを見る。

「お前さ」

「はい」

「その喋り方、どうなの?」

一瞬、翔くんはきょとんとする。

「・・・喋り方?」

「敬語。」

「当然敬語ですよ。先生なんですから。」

「年、かわんねぇだろ」

「それでも先生です。」

「『智』とか呼ぶくせに。。。」

「それは智が言い出しましたよね?」

「だから今も、敬語やめたら?って言ってるんだけど?」



少しだけ翔くんは眉を寄せる。


「教えていただいてる敬意を持って接したいんです。」

「なんか距離ある」

「そうですかね?」




ぽつり。
「さっきあんなこと言っといて、それはねぇだろ」


「あんなことって?」



一瞬、空気が止まる。
そこを聞いてくるとか、なんなん、とか思うけど・・・


「だからその・・・」

「『好き』って言ったことですか?」

「ぃ、いちいち言わなくていい!」



そっぽを向いてる俺のことを
翔くんはガン見してて・・・


俺は意地でも目線を合わせないようにしてた。







「分かりました。」

フォークを置いて・・・

「やめますね。敬語。
たまに出るかもですけど・・・」



『ですけど』ってそれ敬語じゃんか。




「ぉ、おう。」



またビールを一口流し込む。



「智」

名前を呼ばれて、少しだけビクッとなる俺。

「・・・何」

「距離、詰めていいってことだよな?」

「・・・は?」

「敬語やめろってことは・・・
遠慮すんなって意味だよね?」



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なっ!なんだよ、その解釈!!!