お願い、打って!(後編)
個人病院の問診で
すんなりインフルエンザワクチンを打ってもらえず
診察を受けることになった私
己の高体温を呪いながら、仕方なく次の順番で別室へ移動しました
改めて血液検査の結果用紙を凝視した医師は
「うーん、CRPと白血球はOK・・・それで、、、あれ?なにこれ!この8.4!」と
赤ペンで印をつけました
彼にとっての次の問題は「血色素量8.4g/dl」のよう
ちなみに、同性同年齢の下限値は10.8、上限値が14.6です
ええ、まー、私は貧血です、わかっとります
しかし、医師は
「これはヒドイ。こんなに少ないとね、普通はグタ~となって困るでしょ。何もやる気がおきなかったりするでしょ・・・云々」と
グタ~の部分なんかにジェスチャーまで交えながらご丁寧にこの数値で起こるべき症状を説明されますが
私の願いはただ一つ
ワクチンの接種です
「血清鉄の値はどうなの?貧血にも色んな種類があってね、それによっては・・・云々」と
今度は簡易検査には出ない項目の数字まで尋ねてきました
ええ、まー、私の血清鉄の値は異常です、わかっとります
集団の基準値が60~210μg/dlに対し、14しかありません
しかしながら、この状況でその値を明らかにすると余計に事が面倒になりそうだったので
「はー、ほー、そ~なんですか・・・」と
ながーい説明に傾聴しながらも
私の願いはただ一つ
ワクチンの接種です
さて、貧血の話が一段落しますと
次は問診表の既往歴に目を留め
2年前の受診時の病名と異なっていることについて指摘されました。
実は当日、一般の病院でワクチン問診に書く病歴名は何が適切かについて主治医と話したところだったのです。
いつも使っていた病名では範囲が広くて、専門外の医師によっては発症当時のような重篤なイメージで捉える人がいるので、もう少し的を絞った名前にしましょう、と。
それで
早速、その時の問診表にその小規模なほうの名前を記入しました
ところが、これがこの開業医先生には大問題で
2年前に申告した病名と、今回記入した病気では大違いだと・・・
これまた長い説明が始まったのです
私的には
「いや、あなたがここを開業された頃はそういう解釈だったかもしれないけど、、、私の主治医は呼吸器の専門、あなたは元々内科の中でも何が専門?」などと思いながら
「はー、ほー、そ~なんですか・・・」と頷きますが、、、
そう
私の願いはただ一つ
ワクチンの接種です
さて、散々、迂遠な呼吸器の説明をし続けていた医師が
途中でふと、つぶやきました
「あ、〇〇病院なら、確か呼吸器で有名な先生が・・・」
「K先生」という私の言葉に
「そう、K先生!」
「その先生が主治医で、今朝受診してきたんですけど」
「なんだ、K先生なの。わかった、じゃ、すぐ打ちましょ!」
「・・・」
ここまでに要した時間、(いわゆる待ち時間はほとんど無しで)約1時間、検温回数3回
何だかグッタリと疲労も倍増の中、やっとのことで終了
副作用がでないかどうか経過観察の為にさらに30分間待合室で待機した後、帰宅となったわけです。
家で「もう二度とあの病院には行かない!」と憤怒する私に
旦那様はおっしゃいます
「でもね~、普通37度8分で呼吸器の既往歴がある人に簡単に『ハイ打ちましょ』って言わないでしょ」と。
まー、後に冷静に考えれば
他に患者がいないわけでも(けっこうはやっている病院で)
高齢でヨボヨボなわけでもない(おそらく50代後半)内科医が
一応、本人のできる限りのリスク管理として打った手だったといえば
仕事として理解できないわけではないのですが・・・。
今回はたまたまK先生のことを知っている医師だったから何とかなったものの、
今後、開業医のもとでのワクチン接種は
潔く諦めようと思った出来事だったのでした。