いつものグラウンドにMartin達はまだいなかった。今日は来ないのかな?
私はひとりで、リフティングをしていた。
すると、ユニフォーム姿の男の子が3人、私のところへやってきた。昨日も来ていた、FCハンブルクの男の子たちだ。
「やあ。最近Martin達とサッカーしてる、日本人のスーパーガールって、君だろ?」
男の子の一人が私にドイツ語で話しかけてきた。
「スーパーガール・・・」
「俺たち、話があるんだ」
「なあに?」
「FCハンブルクの入団テストが、春と秋の年2回、あるんだけど、今度のテストは次の土曜日なんだ。明後日。君、受けてみないか?」
すると、ユニフォーム姿の男の子が3人、私のところへやってきた。昨日も来ていた、FCハンブルクの男の子たちだ。
「やあ。最近Martin達とサッカーしてる、日本人のスーパーガールって、君だろ?」
男の子の一人が私にドイツ語で話しかけてきた。
「スーパーガール・・・」
「俺たち、話があるんだ」
「なあに?」
「FCハンブルクの入団テストが、春と秋の年2回、あるんだけど、今度のテストは次の土曜日なんだ。明後日。君、受けてみないか?」
え・・・?
FCハンブルクの入団テストを?
FCハンブルクの入団テストを?
私が?
耳を疑った。
「でも、私、女の子だし・・・」
そんなことが可能だとは、到底思えなかった。
「俺の父親がコーチをしている」
ちょっとクールな感じの男の子が口をきいた。
「昨日話してみた。女の子だけど、充分合格しそうな選手がいるって。ところであんた、何歳?」
「え?12歳だけど・・・」
「それなら可能性はあるな。ジュニアユースのチームは、16歳未満。試合の出場資格が『男子』とは定められてないから、16になるまでは試合にも出られる。あんたが女でもな。まぁ大会ごとに規定が変わるから、何とも言えないけど。それを踏まえて、あんたがうちのチームに入りたいと思うなら、テストを受けてみればいい」
ねえ、祐ちゃん。
これは・・・夢?
サッカーチームに入る道が、開けてきた・・・!
テストさえ合格できれば、もしかしたら試合にも出られるかもしれない。
私はぼうっとしていた。
「受けてみるか?」
クールな男の子に、私は力強くうなづいた。
「ありがとう、教えてくれて」
「申し込みは当日で大丈夫。うちのグラウンドに、午後1時集合。テスト内容は、短距離、長距離、ボールを使ってのテスト、ミニゲーム。質問は?」
「あなたの名前は?」
私は彼に右手を差し出した。
「私はアオイ。よろしくね」
「カールだ。それじゃ土曜日に」
カールは力強く私の右手を握り返してきた。
次の日、私はMartin達に昨日の出来事を話してみた。
「昨日、FCハンブルクの男の子たちに、入団テスト受けてみないかって誘われたの」
「え?アオイが!?」
みんな驚いている。
「うん。私が女の子だっていうのはわかっていて、それでもいいって」
「女の子が受けるなんて思ってないだろうからな~」
「まあ、でも女子チームだって発足してきている地域だってあるんだぜ?」
「でもまだまだ少数だろ?」
「それにアオイなら、あいつらの中に入ったって十分やっていけると思うぜ」
「そうだよ、アオイ!がんばれよ!応援するからさ!」
「うん、ありがとう。がんばってみるよ、私」
「それにしても誰がきたんだ?俺たちの学校の奴かな?」
「ううん、違うわ。試合に出ていた子じゃない。一人はカールって名前」
私が言うと、みんながざわついた。
「カール・シュナイダー・・・」
「あいつが・・・?」
「どうしたの?彼、有名なの?」
「有名なんてもんじゃないぜ、アオイ。あいつはFCハンブルクの中でもトップクラスのプレーヤーだ。スカウトされて入ったんじゃないか、奴は」
「俺の父親がコーチをしている」
ちょっとクールな感じの男の子が口をきいた。
「昨日話してみた。女の子だけど、充分合格しそうな選手がいるって。ところであんた、何歳?」
「え?12歳だけど・・・」
「それなら可能性はあるな。ジュニアユースのチームは、16歳未満。試合の出場資格が『男子』とは定められてないから、16になるまでは試合にも出られる。あんたが女でもな。まぁ大会ごとに規定が変わるから、何とも言えないけど。それを踏まえて、あんたがうちのチームに入りたいと思うなら、テストを受けてみればいい」
ねえ、祐ちゃん。
これは・・・夢?
サッカーチームに入る道が、開けてきた・・・!
テストさえ合格できれば、もしかしたら試合にも出られるかもしれない。
私はぼうっとしていた。
「受けてみるか?」
クールな男の子に、私は力強くうなづいた。
「ありがとう、教えてくれて」
「申し込みは当日で大丈夫。うちのグラウンドに、午後1時集合。テスト内容は、短距離、長距離、ボールを使ってのテスト、ミニゲーム。質問は?」
「あなたの名前は?」
私は彼に右手を差し出した。
「私はアオイ。よろしくね」
「カールだ。それじゃ土曜日に」
カールは力強く私の右手を握り返してきた。
次の日、私はMartin達に昨日の出来事を話してみた。
「昨日、FCハンブルクの男の子たちに、入団テスト受けてみないかって誘われたの」
「え?アオイが!?」
みんな驚いている。
「うん。私が女の子だっていうのはわかっていて、それでもいいって」
「女の子が受けるなんて思ってないだろうからな~」
「まあ、でも女子チームだって発足してきている地域だってあるんだぜ?」
「でもまだまだ少数だろ?」
「それにアオイなら、あいつらの中に入ったって十分やっていけると思うぜ」
「そうだよ、アオイ!がんばれよ!応援するからさ!」
「うん、ありがとう。がんばってみるよ、私」
「それにしても誰がきたんだ?俺たちの学校の奴かな?」
「ううん、違うわ。試合に出ていた子じゃない。一人はカールって名前」
私が言うと、みんながざわついた。
「カール・シュナイダー・・・」
「あいつが・・・?」
「どうしたの?彼、有名なの?」
「有名なんてもんじゃないぜ、アオイ。あいつはFCハンブルクの中でもトップクラスのプレーヤーだ。スカウトされて入ったんじゃないか、奴は」
スカウト?
「確かそうだよ。たまにあるんだ、プロのチームのスカウトマンが、小さいうちから才能のある選手を自分のチームに入れて育てるって」
スゴイなぁ!ここではいろんなことが日本と違う。
そしてその夜。私は祐ちゃんに手紙を書く。いつもより長い手紙。明日、がんばるからね。
いよいよ入団テストの日。
そしてその夜。私は祐ちゃんに手紙を書く。いつもより長い手紙。明日、がんばるからね。
いよいよ入団テストの日。
結構な数の少年が集まってきている。50人くらいいるだろうか。受付で名前を書いてきた。
遠くに、一昨日私に声をかけてくれた3人がいた。カールが私に手を振る。私も振り返す。
ありがとう、がんばるよ。
始めは短距離走。100mのタイムトライアル。
ありがとう、がんばるよ。
始めは短距離走。100mのタイムトライアル。
私は3組目。どのくらいが合格圏なのかまったくわからないけど、全力で行くしかない。
Bang!
ピストルの音が鳴り、はじかれたように走る。体が軽い。もともと走るのは得意だから、私はその組で1位でゴールする。
「早いな、君」
2位で入った隣のコースの子が私ににっこり笑いかけた。
次は長距離。1500mのタイムトライアル。
Bang!
ピストルの音が鳴り、はじかれたように走る。体が軽い。もともと走るのは得意だから、私はその組で1位でゴールする。
「早いな、君」
2位で入った隣のコースの子が私ににっこり笑いかけた。
次は長距離。1500mのタイムトライアル。
これは3組に分かれて行われた。
私は1組目。毎朝5km走っている私には、そんなに大変ではなかった。でも早い子がいた。私は2位でゴール。うん、悪くない。
そのあと、リフティングを自由にするテスト。
2人組になってパスでゴールへ向かい、シュートするテスト。
コーンを置かれたジグザグコースをなるべく早くドリブルで抜けるテスト。
そのあとのミニゲーム。4チームに分かれて、20分ハーフのミニゲームだ。
私のチームはグリーンのゼッケン。私はMFのポジションで、ゴール前にボールを送り、時に自分でもシュートに行き、2アシスト1ゴールで前半を終える。
後半はDFにチェンジ。相手チームを早めにマークし、ペナルティエリア内からシュートを打たせなかった。
やっぱりゲームがいちばんおもしろい。
こんな、今日だけのチームだけど、いろんな選手がいて、ゲームの組み立てが楽しい。ああ、合格できたら、こうして毎日サッカー出来るんだ。
すべてのテストが終わって、みんな集められて合格発表のとき。名前を呼ばれた子は、喜んでガッツポーズをしている。
「アオイ・キムラ」
5人目で、私の名前が呼ばれた・・・!
「やった・・・!」
私も喜んで立ちあがった。向こうからカールがやってきて「やったな」って背中をたたいた。
「うん、ありがとう、カール!」
結局合格者は12人。
そんな中に自分が選ばれたのが、奇跡だと思った。
祐ちゃん、祐ちゃん!!
ああ、今ほど祐ちゃんに会いたいって思ったときはないよ。
「私、合格したよ!」って祐ちゃんの胸に飛び込みたい。
「よくやったな、碧!」っていつもの笑顔で言ってほしい。
解散してすぐ、近くの公衆電話に飛び込む。もう電話するには遅いけど、今すぐ祐ちゃんに伝えたい。
そのあと、リフティングを自由にするテスト。
2人組になってパスでゴールへ向かい、シュートするテスト。
コーンを置かれたジグザグコースをなるべく早くドリブルで抜けるテスト。
そのあとのミニゲーム。4チームに分かれて、20分ハーフのミニゲームだ。
私のチームはグリーンのゼッケン。私はMFのポジションで、ゴール前にボールを送り、時に自分でもシュートに行き、2アシスト1ゴールで前半を終える。
後半はDFにチェンジ。相手チームを早めにマークし、ペナルティエリア内からシュートを打たせなかった。
やっぱりゲームがいちばんおもしろい。
こんな、今日だけのチームだけど、いろんな選手がいて、ゲームの組み立てが楽しい。ああ、合格できたら、こうして毎日サッカー出来るんだ。
すべてのテストが終わって、みんな集められて合格発表のとき。名前を呼ばれた子は、喜んでガッツポーズをしている。
「アオイ・キムラ」
5人目で、私の名前が呼ばれた・・・!
「やった・・・!」
私も喜んで立ちあがった。向こうからカールがやってきて「やったな」って背中をたたいた。
「うん、ありがとう、カール!」
結局合格者は12人。
そんな中に自分が選ばれたのが、奇跡だと思った。
祐ちゃん、祐ちゃん!!
ああ、今ほど祐ちゃんに会いたいって思ったときはないよ。
「私、合格したよ!」って祐ちゃんの胸に飛び込みたい。
「よくやったな、碧!」っていつもの笑顔で言ってほしい。
解散してすぐ、近くの公衆電話に飛び込む。もう電話するには遅いけど、今すぐ祐ちゃんに伝えたい。
「はい、木村です」
この前と同じように祐ちゃんが出た。
「祐ちゃん!私・・・」
「おう!碧か⁈今日、手紙届いたよ。すごいじゃないか、サッカークラブのテストなんて!」
祐ちゃんが喜んでくれてるのがわかる。
「うん、今日テストだったの。私、合格したんだよ!クラブでサッカー出来るの!」
「・・・ホントか⁈やったな!おめでとう‼︎」
「ありがとう!私、頑張るからね!それだけ伝えたくて、電話しちゃった」
「うん、サンキュー。うれしいよ、すぐに教えてもらえて。本当に碧は俺の秘蔵っ子だ」
その言葉が今は一番嬉しい。涙が溢れてきた。
「それじゃあまたね。夜遅くにごめんね」
「気にしなくていいよ。電話ありがとな。元気で」
「うん、祐ちゃんも」
電話を切ってからも、思わず受話器を抱きしめる。
「アオイ、何やってんだよ?一緒に帰ろうぜ」
新しい仲間たちと話しながら帰る。
みんなと家の前で別れて、ドアを開ける瞬間、祐ちゃんを想う。