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【8/13・今日という一日】 妻の運転で、常陸大宮の道の駅『かわプラザ』へ。 車中流れるジョンコルトレーン。 僕も妻も、ジョンコルトレーンが奏でる音が好きだ。 ジョンコルトレーンを初めて知ったのは、20歳の時。 それまでは、当時流行りのビートロック・テクノ・ハードロックなどなど。 jazzは全く興味ありませんでした。 当時一緒に働いていた中山くん(仮名) その中山くんが貸してくれたのが、ジョンコルトレーンのCD。 衝撃的でした。 力の抜けた色気。 オトナの男しか出せない余裕。 僕にとってのジョンコルトレーンは、そんな音でした。 ・ ・ ・ 中山くんとは、当時働いていた住宅メーカーの同僚でした。 イケメンで頭がキレる。 歌が上手くて会話上手。 スーツの着こなしが上手い。 彼から『中和田くんに似合うと思うよ』 ブランド物のネクタイをプレゼントしてもらったこともある。 ・ ・ ・ 僕は真面目に営業するので、自慢になりますが、同僚の中では成績が1番良かったのです。 革靴がボロボロになるまで、営業しまくりでした。 中山くんが本気を出せば、僕は到底敵いません。 しかし彼は、怒られない程度の結果を出すと、残りはほとんどパチンコです(笑) 『行ってきます!』と爽やかな笑顔で会社を出て行き、真っ直ぐパチンコに。 僕の顔を見ると、ニヤッとして、パチンコのハンドルを握る仕草をする。 夕方会社に戻ると 『アポは取れませんでしたが、見込み客はおりまして…』と、さも営業活動したかの嘘が得意(笑) それはもう、名俳優並でした。 ズルい男。 ・ ・ ・ 『中和田くん。そんなに真面目に働いていると、どんどん老けちゃうよ。仕事はね、緩さが大切だよ』 イケメンで低く落ち着いた声。 彼が言うと、説得力を感じてしまう。 本当にズルい男だ。 ・ ・ ・ 『BARには男1人か女と2人。男はカクテルはダメね。ウイスキーの水割りもダメ。ストレートかロック。 ジョンコルトレーンくらい聴いておいた方がいいよ』 そして貸してくれたのがジョンコルトレーンでした。 毎回ではないのですが、聴くとふと思い出す中山くん。 僕より1つ下でしたが、貫禄は10歳上でした。 ・ ・ ・ お互い会社を辞めてから、一度も会わない関係になりました。 一度も連絡もしません。 そもそも、僕も彼も、あまりつるむのは好きではないタイプ。 良く言えば『一匹オオカミ』 悪く言えば『人に合わせられないコミュ障』 ・ ・ ・ 数年前、風の便りで彼の名前が出ました。 『もうとっくに死んじゃったよ。30代に』 実家も無くなっていて、連絡も線香あげようもないとのこと。 死因も知らないと。 ・ ・ ・ ビックリはしましたが、正直哀しい感情はありません。 冷たいようですが、30年近く音沙汰無しで『哀しい』は、ちょっと白々しい。 『死』は時として、想い出を全て美化してくれる。 神が与えてくれた素晴らしい能力かもしれません。 ・ ・ ・ 想い出すのが1番の供養。 とか意識しなくても、ジョンコルトレーンを聴くと、あれからもずっと想い出してしまう。 彼はやはり、ズルい男だと思った。 カッコ良すぎだ。

GrinBlueグリンブルー中和田オサムさん(@nakawada036)がシェアした投稿 -