みなさん、こんばんは。
こころとからだを癒す
茂原(もばら)の医師
永野 修です。
「そうか、自宅ではこのように過ごし
ているのか。」
4月1日から在宅医療に関わるようにな
り、患者さんのご自宅に伺うたびに、
こんな思いが繰り返し湧いてきます。
例えば、玄関や自室内の手すりとか
(移動するときに手が触れる位置に
手すりが設置されていたり、自室内で
は天井と床につっかえ棒のような形で
ポールがあったり)、もちろん電動ベ
ッドやポータブルトイレがあったり、
マジックハンドがベッド柵に掛かって
いたり(普段、ベッド近くのものを取
るときに使っているんだろうな)、
各々の患者さんやご家族の工夫や、
病院では見られない介護用品などが
見受けられます。
そして、当たり前のことですけれども
決して同じ家屋や同じベッドの配置の
家はないのです(病院では個室や
4人部屋の違いくらいしかなくて、
ほどんと同じ形状の洗面台や机や
テレビ台であったりしますので、
そこに違和感を感じてしまうので
しょうね)。
そして、やはりそこにいる患者さんの
様子も病院と在宅では違っていて、
病室にいる場合は、やはり自分の
自宅の部屋ではないためでしょうね、
どこか落ち着かない様子が感じられ
ますし、その一方で、訪問診療で自宅
へ伺ったときには、そういった不安な
様子は全く感じられません。
やはり病院というのは、どこか
患者さんにとって、ただ居てもらうだけ
でもストレスを与えてしまうのかも
しれませんね。
そして、患者さんのご自宅へ訪問して
いて気づいたことは、県営団地では
エレベーターが設置されていなくて、
階段を使って訪問することが多く、
例えば5階まで往診のバッグを持ち
ながら上り下りをしていると、この
移動を患者さんができるのだろうか
と考えてしまったり(それができなく
なったから訪問診療を受けているの
でしょうけれども)、たとえ今、それが
できているとしても、5年後、10年後
を考えると、こういった団地に住んで
いる高齢者は外出が大変になって
しまうのだろうなと未来の問題のこと
を考えてしまったりしてしまいました。
少なくとも自分が70歳とか80歳まで在
宅医療を続けようと思うのならば、足
腰はしっかりしていないといけないこ
とが良く分かりましたね。
そのような患者さんのご自宅へ伺う訪
問診療をしながら、感じることがありました。
それは以前のブログにも書いたことで
す。
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「病と人」
https://ameblo.jp/osamu3150/entry-12554070739.html
一つの言葉が浮かんできました。
「病人」
もし
患者さんを病人と表して
さらに
病人=病+人
と分けて考えたとき、
もしかすると
私たち医師は
病ばかりを診ていて
(その病をどうやって治すかを
優先して考えてしまって)
人をあまり見ていないのかもしれない。
その一方で
看護師さんは
人を優先して
看ているのかもしれない。
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この時は、看護師さんの研修会に参加
しての気づきを書いたものでしたけれ
ども、在宅医療に関わるようになって
病院勤務の医師と在宅医療の医師との
間にも同じようなことがあるのかもし
れないと思うのです。
もちろん、それは病院という場所は病
気を治療する役割がありますので、や
はり医師には病を治すことが意識の中
心にあります(もちろん僕もそうでし
た)。そして、在宅医療に関わってみ
ると、その診療は患者さんの健康管理
や在宅での生活支援が役割ですので、
医師もそれを中心に患者さんを診察し
ますから、そのような違いがある程度
は生じるものなのでしょうね。
ただ、このような違いがあるのかもし
れないと気づけるには、その両方をや
ってみて初めて分かることであったり
もしますね。やはりいろんなことを経
験してみることって大切ですね。
そして、どのようなことが自分の気質
に合っているのか、それを知ることが、
その仕事を長く続けるのに大切なこと
なのかもしれません。
だからこそ、2004年から始まった臨床
研修医制度(卒後2年間の研修の必修
化)では地域医療という研修期間が1ヶ
月間設けられているのでしょうね(僕
は1999年4月から医師として働いていま
すので、研修医制度はなく、医師1年目
から脳神経外科に属していました)。
もしかすると僕も臨床研修制度が始ま
ってから医師になっていたとしたら、
もっと早い時期から在宅医療を始めて
いたかもしれないですね。
最後まで読んで頂きありがとう
ございました。
あなたの明日が
素晴らしい一日になりますように。
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