こころとからだを癒す
茂原の医師
永野 修です。
前回のブログの続きです。
今回は
・熟睡を導く
「黄金の90分」の法則
をお伝えしますね。
ちなみに
僕はこの「黄金の90分」を
意識するようになったら
しっかりとした睡眠が
とれるように変わったのですね。
そのキーワードは
「ぐっすり眠れる人」とは
「眠り始めを深く眠れる人」
ではどうしたらよいか
その答えは
睡眠周期(スリープサイクル)に
か隠されています。
睡眠は2種類のタイプの眠りが
繰り返されるのですね。
「ノンレム睡眠」と
「レム睡眠」です。
・ノンレム睡眠
=脳も体も眠っている睡眠
・レム睡眠
=脳は起きているが、体は
眠っている睡眠
そして
私たちの睡眠は
「ノンレム睡眠」で始まります。
健康な人の場合、目を閉じると
心拍数が落ち着き、
交感神経の活動は低下して、
副交感神経が優位になってきます。
そして通常10分未満で入眠します。
これが最初のノンレム睡眠で、
長さは90分ほどです。そして、この
段階は深い眠りのため、この状態の
人を起こすのは非常に難しいです。
(ちなみに脳波は非活動状態の徐派を
示します。)
次に「レム睡眠」になります。
その後、眠りは少しずつ浅くなり、
眠っているにもかかわらず覚醒時の
ような脳波になります。これは「体は
寝ているけど、脳は起きている」
状態です。初回のレム睡眠は概して
短く、数分程度のこともあります。
(レムとはRapid Eye Movementの略
で、レム睡眠時は閉眼した瞼の下で
眼球が素早く動くのが特徴です)
この段階の眠りは浅くて、比較的
簡単に起こすことができます。
この「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」
の組み合わせが終わると
「眠りの第1周期」が完結します。
6~7時間眠る場合は、このスリープ
サイクル(90~120分)が4周繰り返されます。
そして明け方に近づくにつれ
深いノンレム睡眠は減少し、
ム睡眠が徐々に長くなります。
この眠り始めの「ノンレム睡眠」
(眠り始めの90分)で深く眠ること
ができれば、覚醒中に溜まった
眠気が解消され、自律神経や
ホルモンの働きも良くなり、
更に、免疫力の増強や脳の老廃物も
除去され、そして翌日の
パフォーマンスまでおのずと
向上するのですね。
そのため、
この最初の90分が
「黄金の90分」
なのですね。
では、どうしたら
この「黄金の90分」を
手に入れられるか。
それは
3つポイントがあります。
1つ目は
「体温のマネジメント」
(これは初めて知りました。)
人が眠くなる条件に
「深部体温(体の内部の体温)」と
「皮膚体温(手足の温度)」の
差が縮まることとあります。
日中は
活発に動けるように「深部体温」が
高くなり「皮膚温度」より2℃ほど
高いのですね。
一方で
入眠前には手足が温かくなり
「手足から熱が放散され、深部体温が
下がる」現象が起こります。
(これって、赤ちゃんを抱っこして
いるとよく分かります。眠たくなって
くると顔が赤くなったり、体や手足が
急に温かくなったりしますよね。
そのことです。)
つまり
「深部体温」と「皮膚温度」の差が
2℃以下に縮まると眠くなるのです。
それにはこうすると良いようです。
「90分前入浴」で
極上の睡眠を手に入れる。
例えば
午前0時に寝たいなら
22時0分:入浴。
皮膚温度、深部体温ともにアップ
22時30分:入浴終了。
皮膚温度は0.8~1.2℃、深部体温は
0.5℃上がっている。
0時00分:手足や体表面から熱が放散
され深部体温は下がり始める。
このタイミングでベッドに入った
状態でいるとよい。
0時10分:入眠。
そして
寝る90分前に入浴をすませられない
場合や入浴後すぐに寝たいときは
湯舟に浸かることは逆効果なのです。
なぜなら「深部体温」が上昇した中で
ベッドに入っても、脳と体は
覚醒まっしぐらですのでね。時間が
ないときはシャワーで済ますのが
良いようです。
さらに
入眠前に必須の「熱の放散」を
促すように、
ベッドに入るときは
「靴下を履かない」
ことと
「枕で頭を冷やす」
こともコツだそうです。
(僕は寒い日は靴下を履いて寝る
習慣があったので早速止める
ことにしました)
2つ目は
脳を興奮させないこと
(脳が興奮すると深部体温が
下がらないのです)
これは皆さんも経験があると
思います。悩み事があったり、
寝る直前までスマホをみたり、
ゲームをしていたりすると、
脳が興奮してなかなか眠れない
ものですよね。なるべくそのような
行動は控えることが良いです。
3つ目は
睡眠前のいつものパターンを
守ること
脳は安定が好きです。そのため
いつも通りのベッドで、いつも
通りの時間に、いつも通りの
パジャマを着て、いつも通りの
照明と室温で眠る。
これが脳に安心を与えて入眠を
スムースにするコツの1つです。
さて
僕はこのように
「黄金の90分」のことを知り、
行動と意識が変わりました。それは
2つあります。
1つは
夕食後にソファーでうたた寝を
する習慣をなくしたこと。
入眠の最初の90分が
ゴールデンタイムなわけですから、
それを途中で遮らないように、
眠くなったらベッドで寝る。
これを徹底し始めました。
2つ目は
意識を変えたこと。
今でも時に朝早く目が覚めてしまう
こと(本来は6時起床予定なのに
5時ころに一旦目が覚めてしまうこと)
はあります。ただ今までのように
目覚まし時計がなるまで、一度も
目が覚めることなく寝られて
始めて熟睡したと捉えていたものが
最初の90分をいかにしっかり眠れたか
を意識するように変わりました。
そのため、たとえ睡眠時間が短かった
としても、最初の90分がしっかり
眠れていれば、翌朝の体調がすっきり
しているように感じています。
今回の学びを通して
睡眠は健康を維持するためにも、
とても大切な要因なんだなと
再認識しました。
きっと患者さんからの質問
「先生、
夜眠れないんです。
何かお薬を出してくれませんか?」
には、今までと違った内容を
お伝えできるかもしれません。
これからも
睡眠について学び、実践し
みなさんにお伝えしていきますね。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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