人は記憶で創られている. | こころとからだを癒す茂原の医師のブログ

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あたまとこころとからだをテーマに
日常生活や診療での気づきを綴ります.

みなさん、こんにちは。

こころとからだを癒す

脳神経外科ドクター

永野 修です。

 

 

「人は記憶で創られている」

 

この数年でセミナーや講習会で

何度も目にしたり、耳にしたり

している言葉です。

 

そのときは

「人は記憶で創られている」と

聞いても

「そういうものかな」

「そうかもしれないね」

くらいにしか思えず、

毎回聞き流していたようでした。

 

そして

その後も何度かこの言葉を

思い出すことがあったものの、

実感が湧いてこないため

何か腑に落ちない言葉でした。

 

ただ10月から緩和医療科に

勤務することになって

この言葉を思い出すことが

あったのです。

 

それは

緩和医療科の医師や看護師さんが

患者さんに声を掛けているとき

でした。

 

例えば

「病気になって

もたらされたことは

すべて100%悪いことだった

のかな?」

とか

「これからは量より質ですね」

とか

「笑って過ごせるようにお手伝い

 させてくださいね」

とか

 

患者さんとの会話の中で

その状況に合わせて話される

言葉を隣で聞きながら、

「素敵な言葉だな、

こんな言葉を

 自分も患者さんにかけたいな」

なんて思っていました。

(そして、後にこれら言葉を手帳に

書き残して見返しています。)

 

そう思うと

この仕事を始めるようになった

当初から

僕は、患者さんと医療者(医師や

看護師や放射線技師や薬剤師や

理学療法士など)の会話を

よく聞いていたように覚えています。

 

どのようなタイミングで

どのような言葉を

どのような態度で伝えるのか

 

もし自分が患者であったら

こうしてほしいな

といった患者視点も交えて

その場面を観察していました。

 

そして

この習慣は

今になっても続いていることに

気づきました。

(ただ、これって特別なことではなく

誰もが無意識にしている

ことなのかもしれませんね。)

 

つまり

言葉というものは

どこかで聞いたり、見たり、読んだり

したものでないと

自分の口からは出てこない。

(知らない言葉は発する

ことができない。)

 

まさに

「人は記憶で創られている」

ことを実感しています。

 

そのような中で

緩和ケア病棟の本棚を見ていたら

このような雑誌がありました。

 

「緩和ケアの魔法の言葉1」

どう声をかけたらいいか

わからない時の道標(みちしるべ)

これは緩和ケアに関わる

エキスパートの医師、看護師が

「魔法の言葉」だと思っている言葉

が紹介されていて、

 

それに関わるエピソードとか、

その言葉を裏付ける考え方や

その方の価値観が書かれている

ものでした。

 

「何があっても、あなたはあなた」

「あなたがそこにいるだけで

 十分に意味がある」

「あなたに金メダルをあげたい」

「イラっとしてもいいけれど

 イライラはしない」

「がんは居候」

「奇跡が起こったら、どんな一日に

 なると思いますか?」

 

などなど

全部で60ほどの言葉がありました。

 

そして、

今、まさにこれらの言葉が使われた

緩和ケアの現場で働いているので、

臨場感を持って、これらの言葉が

頭に入ってきます。

そして時間を見つけては

この雑誌を読み返しています。

 

もちろん、これらのすべての言葉を

覚えていることなんて

到底できませんが、

今後、必要な状況がくれば

ふと口からでてくるのではないか

なんて思っています。

 

もしかすると

 

緩和ケアの

魔法の言葉に触れること

 

これも大切な研修の一つ

なのかもしれませんね。

 

そう思うと

もっともっと

たくさんの言葉を

見たり、聞いたり、覚えたり

したくなってきました。

 

最後まで読んでいたいただき

ありがとうございました。

 

 

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