みなさん,こんにちは.
こころとからだを癒す
脳神経外科ドクター
永野 修です.
「永野先生,
僕はね,あるときから
教科書を読まないって
決めたんだよ」
「そしてね,
患者さんから
すべて教えて
もらうことにしたんだ」
在宅緩和ケアに
長年たずさわっておられる
尊敬する大先輩の言葉です.
http://www.sakusabe.net/index.html
1年前くらいに
一緒にお食事をしながら
お話しを伺うことがあって
とっさにこの言葉をメモした
記憶があります.
そして
先日,
その日の
仕事を終えて
一日を振り返っているときに
この言葉が甦ってきました.
「患者さんから
すべて教えて
もらうことにしたんだ」
さて
いまの
僕はどうなのだろう.
もっと
患者さんから
教わることがあるでは
ないだろうか.
今の仕事に
すっかり慣れきって
しまっていて
その意欲が少なくなっている
のではないか
そして
患者さんが
本当に
僕へ
伝えたいメッセージを
受け取れているのだろうか.
そして
僕が患者さんに伝えたい
本当の想いは
伝わっているのだろうか.
そんなことを
考えているうちに
『一期一会』
という
私の好きな言葉が
浮かんできました.
もしかして
『患者さんとの出会いは
一期一会,
その偶然の出会いを
大切に.』
と大先輩は教えてくれて
いたのかもしれないと
思いました.
そして
患者さんが教えてくれることは
患者さんに個性があるように
千差万別,十人十色.
だとしたら
患者さんが
教えてくれることよりも
自分がどの患者さんにも
伝えたい
本当の想いを
突き詰めた方がよいのでは
ないだろうか.
と思うようになり
それは
『安心感』
ということが
はっきりとわかりました.
「病気が見つかって不安」
「再発が心配」
「痛くて動けない」
「あとどれくらい生きられるの」
など
さまざまな
不安や心配や悩みを
持っている患者さんに
『安心感』
をもってもらいたい.
そうするには
どうしたらいいか
つまり
『安心感』
を与えてくれる医師は
どんなあり方で(BE)
どんな行動をして(DO)
どんなものを持っている(HAVE)
を考えてみたのです.
このうちの
あり方は
『自分が安心感を持つこと』
それには
マイペースとインナーモード
です.
以前のブログに書いています.
「こころのあり方」
https://ameblo.jp/osamu3150/entry-12425044358.html
そして
行動については
まず自分が
患者さんに対してどんな行動
(振る舞い,言葉使い)
をしているか
思い出してみることにしました.
初めての患者さんが
診察室に入ってくる
ところから
回想してみます.
まず
挨拶をして
自己紹介をして,
そして
紹介状を手に持ちながら
患者さんに
今の体の状態や
病気のことなどを伺い,
時には手足の力の入り方や
しびれなどの診察も行い,
そして
これからの治療について
話を進めていきます.
その後,
治療を行う方針になったら
同意書にサインを頂いて
外来診療が終わります.
すると
『もう少しゆっくり話した方が
いいかも』
『もしかしたら,説明文を
すべて話さなくてもいいかも
しれない.』
『患者さんや家族の顔を
しっかり見た方がいいな』
『座る位置や,体の向きは
しっかりと向き合った方がいい
だろうか,それとも少し斜めが
いいかな.』
『一度,患者さん側の椅子に
座ってみるのもいいかも.
何か気づくかもしれない』
など
自分の行動を
あたまの中で振り返ってみると
いろいろな発見があって
楽しくなりました.
そして
これらの行動を見直して
理想の状態に近づけて
いきたいと思っているのです.
さらに
これをするには
少し勇気がいることですけども
いずれは
患者さんや家族に
自分の印象を聞いてみたいな
と思うようになりました.
そして3つ目の
『安心感』を与えてくれる
医師が持っているものは
『安心を感じさせる場所』
と考えています.
それは
自分だけでなく
診療に関わる
スタッフ全員が同じような
思いで働くことによって
できあがってくるのだろう
と思っています.
そして
これからは
この『安心感』
を与えてくれる医師の
『BE,DO,HAVE』を
意識しながら診療をして
いこうと思っています.
最後まで読んでいただき
ありがとうございました.