人生に乾杯 | 元レンタルビデオ屋店長の映画感想

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元レンタルビデオ屋店長の映画感想-人生に乾杯

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年金暮らしの老夫婦が、無情にも困窮に追い込まれた末、ついには国家に反旗を翻して紳士的な強盗を重ねていく奇妙な逃避行の行方を描くハンガリー発のハートウォーミング・クライム・コメディ。監督はこれが長編デビューのガーボル・ロホニ。
 ヨーロッパの小国ハンガリー。社会主義国だった1950年代に運命的に出会い、身分の差を乗り越えて結ばれたエミルとヘディ。それから幾年月が経ち、いまでは81歳と70歳の老夫婦となったふたり。世の中もすっかり様変わりし、年金だけでは生活が立ち行かず、借金の取り立てに追われる無慈悲な老後を送っていた。そんなある日、ふたりの出会いのきっかけとなったヘディの大切なイヤリングまで借金のカタに取られる事態に。見かねたエミルは年代物の愛車チャイカに乗り込むとひとり郵便局へと出向き、ついに強盗を決行。最初は当惑気味のヘディもやがて夫と合流、ふたりは手を取り合って逃避行へと繰り出すが…。


ほのぼのとしたコメディ色の濃い作品かと思いきや国の情勢もあり、日本も他人事でない福祉制度の問題もありと、なかなか興味深い映画だった。どちらかといとロードムービー的な作品で「俺たちに明日はない」の老夫婦バージョンみたいな印象。でも老夫婦なので過激なものはなくて、のんびりとした強盗をする。(笑)爺さんが強盗した後「ちょっと過激だったかな?」なんてセリフがなんとも微笑ましい。強盗をするにつれてTVでニュースになり近所の婆さん方が危ない人だったみたいに言っていたのに世論が応援しだしたら、手のひら返したように褒め称える様がなんとも狡猾でTVの社会的影響などもあり考えさせられる。この映画は監督のメッセージが強いけど、でもそれが押し付けがましくもなく、ユーモアもありで楽しく観れた。
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若いころのシーンが上の画像↑共産党が財産の没収をしにきたときに出会った。

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強盗した金で豪遊するけどある映画を思い出す。けど観ていて気持ちいい。

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ラストは驚いた。しかもどんでん返しもあったりする。

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警察のカップルと同時進行していくのだが、老夫婦と現在の夫婦の対比のようで、歳をとっても今でも様々な問題が降りかかってきて大変なんだなぁとしみじみと思った。