迷子の警察音楽隊 | 元レンタルビデオ屋店長の映画感想

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迷子の警察音楽隊
アラブの国エジプトの警察音楽隊が、平和交流のために招かれたイスラエルで迷子になり、図らずも一般家庭で一晩を過ごす中で、地元の人々とぎこちなくも心温まる交流を繰り広げる姿をユーモラスに描いたイスラエル製ヒューマン・コメディ。監督はこれが長編デビューとなったイスラエルの新鋭エラン・コリリン。
 ちょっと昔の話。イスラエルに新しくできたアラブ文化センターでの演奏を依頼されたエジプトの警察音楽隊。さっそく揃いのスーツに身を包み、イスラエルの空港に降り立つ一行。しかし何かの手違いか、空港に出迎えの姿はなく、誇り高き団長トゥフィークは自力で目的地を目指すことに。ところがたどり着いた先は、目的地と似た名前の全く別の場所。そこは、ホテルなんて一軒もない辺境の町。途方に暮れた一行は、食堂の美しい女主人ディナの計らいで、3組に分かれ、食堂、ディナの家、そして常連客イツィクの家に分宿して一夜を過ごすことになるのだったが…。
長回しで、淡々として、長い、「間」があったりなので、(少しアキカウリスマキのよう)退屈に感じる方も多いかもしれないが、イスラエル人とアラブ人の背景と、彼らが語らずとも仕草や雰囲気で伝わってくる物を感じ取ると、とても温かく、面白い作品になる。少しコメディも入っていて笑った。ナポレオンダイナマイトのようなオフビートな笑いがあります。個人的には、オススメです。