16歳の合衆国 | 元レンタルビデオ屋店長の映画感想

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角川エンタテインメント
16歳の合衆国 ケヴィン・スペイシー製作、マシュー・ライアン・ホーグ監督デビュー作。恋人の弟を殺した16歳の少年・リーランド。繊細さゆえに世の中にあふれる哀しみに耐え切れず心を閉ざした彼の心の弱さや、苦しみ悩みながら生きる人々の姿を描いた青春映画。
知的障害者のライアン少年が芝生の広がる公園に佇んでいる。足早にライアンに近づいて行く。それ以上リーランドはその時を思い出せない。リーランドは思う。記憶というものはおかしなもので肝心な事は思い出せないのに5歳の時に買って貰ったアイスクリームも事は鮮明に覚えている。思い出せなくても事実は変わらない。道に当たる太陽が暑い春の日リーランドは公園でライアンを刺した。リーランドは友人が言った言葉を思い出した。
“You have to believe that life is more than the sum of its parts ,kiddo ”
(信じて、人生は断片の総和以上なのよ)
ライアン少年は、眠るような顔で青い芝生に倒れ赤いトレーナーを着たリーランドは、血が流れる自分の手をジッと見つめた。 16歳だからこそ犯罪をおかしたわけでもなく、彼独自の世界観があり、そのリーランドの世界は悲しみに満ち溢れて、友人の言葉も理解することは出来なかった。リーランドは断片的に人生の真理を感じることは出来ても、それらを繋ぎ合わせてもっと大きな真理を知ることは出来なかった。 直感的、感覚的に物事を見るのは、情報社会の現在の子供たちに特徴的だ。 彼らはメディアから流される情報で耳年憎になり、まだ何も経験していないのに自分の狭い見地から考えをこじつけてしまう。情報過多になるのは悪いことではないが、しかしより良いアドバイスをする人物の存在が子供には必要になってきている。 子供を強制的に抑えるだけでは意味がない。その子の内面は何も変わらない。

※一部抜粋