【コラム】Photographer・カメラマン・写真家 | Photo Life in Toyama

Photo Life in Toyama

富山の写真家 林治のブログです

いつも Photo Life in Toyama へご訪問いただき、ありがとうございます。

今日は、先般投稿の中で予告していた Photographerとカメラマンなどの話です。

 

あらかじめ申し上げておきますと、今回の(いつもそうですが)内容は、ネットにこう書いてある、という話ではなく、感覚としてどうか、実態はどうか、といったお話なのでご了承ください。

 

 

 

皆さんは、Photographerとカメラマンの違いをご存知でしょうか。

 

これ、ある写真団体で若い写真家志望の人に聞いたことがあります。

 

すると、カメラマンはクライアントから指定された被写体・状況・イメージ通りに写真を撮影する人。フォトグラファーは、どんな作品を作るのか、何をどう撮影してどう表現するか、すべて自分で考えて創作物を作る人 といった答えが返ってきました。

 

これ、けっこう多くの人がそう考えているかもしれませんね。

そして、もしかすると日本での使い分けはこれで正しいのかもしれません。

 

そして後ほど書く理由によって、日本で言うカメラマンとフォトグラファーには正確な定義はないというのが本当のところではないかと思います。

 

 

 

でも海外にもcameramanという言葉があるとのことなので・・

 

LONGMAN 現代英英辞典でどんな意味か確認してみました。

すると・・

 

 cameramanは

 

cam‧e‧ra‧man /ˈkæmərəmən/ noun (plural cameramen /-mən/) [countable]    
someone who operates a camera for films or television ► Do not confuse with photographer (=a person who takes still photographs).

 

つまり、海外では cameramanはフィルムやテレビ撮影といった動画のカメラをオペレートする人。そしてわざわざ「スチル写真を撮影するphotographerと混同しないように」と注釈までついています。

 

このことから、日本でのカメラマンは、海外でのcameramanとは全く意味が異なり、いわゆる和製英語に近い言葉だと理解できます。日本で言うカメラマンは、アマチュアであろうがプロであろうが関係なく使いますし、写真をやっている目的も関係なく、写真が目的でなくカメラが好きな人、或いはスチル・動画などすべてを包含しているような言葉ですね。

 

これはおそらく、(以前書きましたが、)日本ではカメラと写真が混同して使われてきたので、写真やカメラが好きな人・全体を包含する和製英語が自然的に発生したのではないか、と想像します。

 

では、次いきます。

 

photographerは

 

pho‧tog‧ra‧pher /fəˈtɒɡrəfə $ -ˈtɑːɡrəfər/ ●●○ noun [countable]    
Image of photographersomeone who takes photographs, especially as a professional or as an artist

 

ここでポイントは photographerが professional または artistとして写真を撮影する人という一文にあります。

海外では photographerは職業を表す言葉でもあるので、この注釈は当然です。

加えて言うと artistも職業を表す言葉でもあるので、日本で言うアマチュアカメラマンは含まれていないようです。

 

やはり海外のphotographerも日本でのフォトグラファーとは意味合いが違うようですね。

確かに、日本では普通のアマチュアの写真展へ行っても、撮影者の皆さんが「 Photographer Taro Yamada」といった名刺を差し出します。

 

日本ではそれで良いと思いますが、海外の方とメール等で会話する時は、このあたりの使い分けには気をつけた方が良さそうですね。

 

またこうしたことから考えると、海外での photographerは日本で言う写真家に近いイメージでしょうか。

 

写真家とは

 

話のついでに書きますと、写真家は職業を表す言葉です。

(※総務省 日本標準職業分類:大分類B--中分類22--225に定められています)

 

当然ながら、職業ということは写真家として確定申告し税法上も写真家として認められていることが必要です。

 

また例えば、写真をやっている人が新聞に掲載される場合に「写真家 Taro Yamada」と書かれるのは、主たる職業が写真家の人だけです。普段サラリーマンとして仕事をしていて週末に写真を撮って売ったり、大きい写真コンテストに入賞していても、新聞に掲載される時には「アマチュアカメラマン」と表現されます。

 

従って、アマチュアカメラマンが無闇に名刺に「写真家」と記載するのはやめた方が良いと思います。

 

カメラ

 

こうして考えると素朴な疑問が湧いてきませんか?

 

日本で言う「アマチュアカメラマン」の人たちは海外でどう呼ばれているのか?

海外では photographerは日本で言うアマチュアカメラマンを含まないようですから。

 

ということで調べました。

海外ではあまりこうした人を呼ぶ呼称がないようですが、しいて言うと

 

shutter bug または shutterbug

 

こう呼ばれているようです。

 

「なにそれ?」と思いますね。まるでカメラの電子シャッターが動作不良を起こしているようです。

でも、逆に shutter bugを検索するとアマチュアカメラマンと出てくるので正しそうです。

 

bugは虫や病気のことですよね。

 

 

英語では、風を引いたようなときに「I’ve caught a bug.」と言うそうです。

また、自分が写真にハマっていることを「I guess I am a bit of a shutterbug.」というように使うようです。

 

しかし、bugが良い意味に使われるような気がしないので、さらに調べていたらこんな使い方が出てきました。

 

There are a lot of shutterbugs in Japan.

 

これには「日本にはカメラオタクの人が沢山いる。」という訳語がつけられていました。

 

これを書いた人は、イギリス生まれ・東京在住、英語教師で作家の人とのことですが、日本の写真愛好家は他の人から見るとこんな風に bug(s)として見られているのかもしれません。

 

確かに鉄道写真を撮るために線路に入って注意されたら逆ギレしたり、高原で木道からはずれた湿原内でカメラを構えたり、初対面なのに自慢話ばかりしたり、マウントを取るために写真をやっているのか‥と思うような行動をとる人もいるやに。。

 

うーん。

 

bugは駆除されるのが定め。

私たちはそんな bugにならないように、本当に注意したいものですね。

 

 

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

天気が今ひとつですが、気分をアゲていきましょう。