ご無沙汰してました。藤村です。
選挙以降、高等教育無償化についても様々に動きがありました。
着地点は実にまだ見えかねるところですが、とりあえず、状況だけ整理してみたいと思います。
①あらすじ
さて、選挙の一つの争点が「消費税増税」であったのは記憶にも新しいところです。
曰く、安倍は増税によって教育に予算を回すとのことで、2兆円程度のパッケージをと言っていたのはこの前書いたとおりです。
そして「公約に言ったんだから最低限やれ」「増税して社会保障に回さないという嘘を繰り返すつもりか」「また嘘ついたぞこいつ」の(主に左派からの)世論が盛り上がり、安倍もうんとこしょと動いた形に見えます。(それでも十分ではないのですが)
「首相「すべての子供たちに」はウソだった?」(毎日新聞11.7)
高等教育には8000億円増額するということです。
表現に困りますが、「たった8000億円もの」増額ですね。無償化の対象を住民税非課税世帯に限定する方針ということですが、一つ左派の執念が実を結んだ形に見えます。
「高等教育に8000億円 2兆円配分の大枠」(毎日新聞11.9)
一方で、安倍応援団の一角である産経新聞はやはりこれをぼろくそ。
普段安倍を応援する右派(というかネトウヨ?)からはあまり受けが良くないところです。
「高等教育の無償化は「天下の愚策」である 米山隆一氏」(産経新聞11.5)
もちろん、財務省も、財政審でいつもの議論を展開します。
「教育無償化「一律は不適切」=財政、一段悪化を懸念-財務省提言」(時事通信10.28)
高等教育については、具体的には、出世払いも組み合わせるような形が検討されています。
「高等教育無償化で政府検討、世帯年収で3段階の支援策」(11.29)
そして迷走する改憲議論。そこまで日和るなら、今の憲法でも無償化しろよ、と。
「教育「無償」明記しない理由とは 自民改憲原案」(朝日新聞11.29)
②これを一体どう解釈したらいいものでしょうか
高等教育全体論としては3歩下がって4歩進む程度の前進とみています。
高等教育への財政拠出が増えたのは増えたのですが、その財源は消費税。
もし格差是正という観点で見るなら、10歩下がって6歩進む程度かもしれません。
私も、もし消費税増税によって高等教育に8000億するか、そもそも消費税増税ストップかと聞かれたら、増税をそもそもしない、を選びます。
前回ブログで書いたような悪夢(増税分すらペイできない悪夢)は免れるとしても、無償化というのには程遠いものです。
ちなみに、まるで安倍が左に寄って、庶民の味方になったかのように描くのも間違いです。
教育については支出を増やす一方、社会保障全般で見るなら、削減の方向性を堅持し、庶民への負担が軽くする形ではありません。「教育に2兆円」に引っ張られすぎるのも考え物です。
③おわりに
今回の記事は、状況整理だけです。
別に安倍自身、教育無償化それ自体にやる気があるわけではありません。
概ね、票集めのために自民党がそういう政策を掲げた。
左派が増税反対、でも増税するなら公約は守れって言って頑張って、実現に押し込んだ。
そんな感じで見ています。
それにしてもこの間の報道、まるで安倍自民党が、自然に発生した高学費を解決するかのように描いていますが、高学費ってのは自然災害的にできたものではありません。
もう少し、学費値上げの歴史を政治的に見て、それゆえどうして今の高学費があるのかってのがあっても良いですよね。
ということで、次はそんな記事を書いてみたいと思います。
選挙以降、高等教育無償化についても様々に動きがありました。
着地点は実にまだ見えかねるところですが、とりあえず、状況だけ整理してみたいと思います。
①あらすじ
さて、選挙の一つの争点が「消費税増税」であったのは記憶にも新しいところです。
曰く、安倍は増税によって教育に予算を回すとのことで、2兆円程度のパッケージをと言っていたのはこの前書いたとおりです。
そして「公約に言ったんだから最低限やれ」「増税して社会保障に回さないという嘘を繰り返すつもりか」「また嘘ついたぞこいつ」の(主に左派からの)世論が盛り上がり、安倍もうんとこしょと動いた形に見えます。(それでも十分ではないのですが)
「首相「すべての子供たちに」はウソだった?」(毎日新聞11.7)
高等教育には8000億円増額するということです。
表現に困りますが、「たった8000億円もの」増額ですね。無償化の対象を住民税非課税世帯に限定する方針ということですが、一つ左派の執念が実を結んだ形に見えます。
「高等教育に8000億円 2兆円配分の大枠」(毎日新聞11.9)
一方で、安倍応援団の一角である産経新聞はやはりこれをぼろくそ。
普段安倍を応援する右派(というかネトウヨ?)からはあまり受けが良くないところです。
「高等教育の無償化は「天下の愚策」である 米山隆一氏」(産経新聞11.5)
もちろん、財務省も、財政審でいつもの議論を展開します。
「教育無償化「一律は不適切」=財政、一段悪化を懸念-財務省提言」(時事通信10.28)
高等教育については、具体的には、出世払いも組み合わせるような形が検討されています。
「高等教育無償化で政府検討、世帯年収で3段階の支援策」(11.29)
そして迷走する改憲議論。そこまで日和るなら、今の憲法でも無償化しろよ、と。
「教育「無償」明記しない理由とは 自民改憲原案」(朝日新聞11.29)
②これを一体どう解釈したらいいものでしょうか
高等教育全体論としては3歩下がって4歩進む程度の前進とみています。
高等教育への財政拠出が増えたのは増えたのですが、その財源は消費税。
もし格差是正という観点で見るなら、10歩下がって6歩進む程度かもしれません。
私も、もし消費税増税によって高等教育に8000億するか、そもそも消費税増税ストップかと聞かれたら、増税をそもそもしない、を選びます。
前回ブログで書いたような悪夢(増税分すらペイできない悪夢)は免れるとしても、無償化というのには程遠いものです。
ちなみに、まるで安倍が左に寄って、庶民の味方になったかのように描くのも間違いです。
教育については支出を増やす一方、社会保障全般で見るなら、削減の方向性を堅持し、庶民への負担が軽くする形ではありません。「教育に2兆円」に引っ張られすぎるのも考え物です。
③おわりに
今回の記事は、状況整理だけです。
別に安倍自身、教育無償化それ自体にやる気があるわけではありません。
概ね、票集めのために自民党がそういう政策を掲げた。
左派が増税反対、でも増税するなら公約は守れって言って頑張って、実現に押し込んだ。
そんな感じで見ています。
それにしてもこの間の報道、まるで安倍自民党が、自然に発生した高学費を解決するかのように描いていますが、高学費ってのは自然災害的にできたものではありません。
もう少し、学費値上げの歴史を政治的に見て、それゆえどうして今の高学費があるのかってのがあっても良いですよね。
ということで、次はそんな記事を書いてみたいと思います。