2023年度デマアワード

ごきげんよう。藤村です。

 

ネトウヨがTwitterで外国人留学生デマを散らかすたびにアクセスカウンターが回るこのブログ。

2023年末は忙しくしていたらいつの間にか終わっていたので、2023年度のデマアワードということでまとめてみたいと思います。

前回はこちら！

 

ということで、2023年1月～2024年3月にTwitter(X)にデマツイートを投稿したユーザーの中で、特に害悪のレベルの高いものをランク付けしてみました。算定基準は以下の二つ。

 

①　デマの拡散力

ツイートのいいね数、リツイート数など。著名人や議員、議員候補者だと加点要素です。

独断で10点満点で評価します。

 

②　デマの深刻さ

一年間で複数のデマを流していたり、ストレートなデマだったり。調べれば簡単にわかるようなデマだったりも含みます。

独断で10点満点で評価します。

 

上記の掛け算で、100点満点で評価します。（実は嘘です。10点を超える逸材が出てきました。）

そして今回はデマのみを扱うので、以下のような基準で審査を行いました。

 

①　対象内になるもの

明らかに情報として間違っているもの、および以下3点もデマとして扱います。

・「外国人留学生は毎月11万4千円の奨学金を・・・」。国費留学生の枠は3，4％。にもかかわらず「外国人留学生は」という巨大な主語を使っているからです。

・「外国人留学生は優遇されている」。迷いましたが、根拠や論拠を示さずに主張している場合はデマとして扱う事にしました。中には根拠や論拠を示した上で間違っている人もいますが・・・。

・「日本人は借金なのに、外国人留学生は奨学金返済不要」。これも迷いましたが、むしろ外国人留学生は貸与型奨学金すら利用できない、わずかな支援制度としての給付型奨学金しかありません。そのディテールを無視してると判断できるものは対象にします。

 

②　対象外になるもの

ヘイトスピーチ、「外国人留学生に税金を投入するな！」はデマカウントには入れていません。これはこれで問題ですけどね。

 

さて、今回は第５位から第１位まで、そして特別賞３人を選びました。

とても群雄割拠、切磋琢磨な２０２３年でした！見ていきましょう。


第５位
参政党　望月まさのり
 

 


デマをTwitterのみならず街頭にも持ち出したシリーズにして、
「外国人留学生1人辺り170万円の助成金」デマの代表ということで、入賞！

こちらの記事で解説しているし、後にも述べますが・・・

どうしてこの「外国人留学生及び特定技能１号外国人の受入環境整備事業」のようなものが必要なのかと言うと、それは国内の介護の担い手不足、つまり日本側の事情です。
予算規模も本当に大したことが無く、対象人数も少なく、日本人学生側にも同様の制度があるのですが・・・そんな議論のディテールを語りはしない。多分知らないし興味もないのでしょう。

①デマの拡散力　9点

②デマの深刻さ　7点

合計得点：63点



第４位
369不動

 

 

中国留学生
大学学費 無料
年額 171万円 生活費 支給
アルバイト代 税 免除
渡航費 11万円 支給
年 14万円 の 宿泊費補助
実費  80% 医療費補助

を定期的にツイート。いや、だから宿泊費医療費補助はもうとうの昔に消えたんだってば。
そして問題は、彼のツイートを引用する形で色んな人が更に拡散しているということ。

 

 

そして今年の、「日本人留学生に奨学金を出す政策なのに『外国人留学生に奨学金を出す』と勘違いしたネトウヨが怒り狂う事件」。

この事件にもこのアカウントは関わってます。記事くらいちゃんと読めばいいのに、最低限それが出来ないからネトウヨなんてやってるんでしょうね。

 

 

 

「日本の学生の奨学金無償化が先ではないか」・・・って、

いや、これまさに日本の学生向けの奨学金のやつー！！！

解説はこちら。

 

芸能人でも議員でもない一般人かもしれませんが、この無理性。まごうことなきネトウヨ！ということで堂々の４位！

①デマの拡散力　9点

②デマの深刻さ　8点

合計得点：72点


第３位
フィフィ

元祖・外国人留学生デマッター、フィフィ！今年は無念、第３位に入賞。
今年もこんな感じ。

 

 

 

 

 

 

そしてやっぱりというか当たり前と言うか、国費留学生の割合については一切口をつぐんでいます。
「国費留学生は留学生全体のほんの３％なんだよ」という本当のことを、いつになったら言うのやら。いや、彼女にとってのタブーなのでしょうね。はっはっは。



留学生ネタあるところにフィフィあり！と言うべき存在で、留学生ヘイト、留学生デマを先導する存在として活躍していました。その功績をたたえて、３位としたいと思います。 

①デマの拡散力　10点

②デマの深刻さ　8点

合計得点：80点


第２位
くつざわ  衆院選東京29区立候補予定 元豊島区議 日本改革党

昨年最強の覇者が惜しくも２位・・！！？馬鹿な！！！
昨年のおさらいをしますと、

下記を情報ソースに、「学費生活費家賃医療費諸々で留学生支援は1人あたり年間約380万円」などを随所で演説してきた模様。


 

今年もこれだし。

 

 


しかし昨年解説した通り、「年380万円」は掛け算ミス、2007年までに廃止されたものを現存しているかのように扱う、など複数の面で極めて悪質な間違いです。
今年もなんと、

「学費生活費家賃医療費諸々で留学生支援は1人あたり年間約380万円、これが50万人となると約1兆9000億円になる」

という、まさに王者の一手！！前代未聞、最強のデマ！！！いやあ！しびれました！！！

380万円も間違い！複数の間違いの混合デマ！！
しかもこれは国費留学生なので50万人に配られるなんて決して有り得ないのに、それが有り得るかのように吹聴する、「真実」「事実」という概念に全力で唾とゲロを吐きかける悪行！

昨年に引き続いての無知性、無理性、反知能の極み。これぞ！ネトウヨ！
ぶっちぎり、下位に大差をつけて文句なしの２位です！

①デマの拡散力　10点

②デマの深刻さ　10点

合計得点：100点！！

つまり１位はこれを超える、更なる極みの誕生です！
そう、くつざわはあくまで街頭のみでの存在。なんと地上波・テレビにまで進出した彼が、第１位を勝ち取りました！



第１位
ほんこん

ネトウヨ芸人。

 

 

「海外は基本返済無用」。シンプルでパンチが強いですね。

例の「外国人留学生1人辺り170万円の助成金」デマも全力で拡散。

 

 

 


こちらの記事でも書きましたが、（二回目）この「外国人留学生及び特定技能１号外国人の受入環境整備事業」のようなものが必要なのかと言うと、それは国内の介護の担い手不足、つまり日本側の事情です。

彼の議論の特徴は兎に角、「浅い」につきます。
上っ面の数字ばかりを追いかけて、１次データすらあたらない。「日本人の学生に」と繰り返していますが、

 

 

要は介護従事者の待遇が悪く、日本人の担い手が少なく、だから海外から労働者を招かなくてはならない、そのためには多少の支援制度も必要でしょう・・・という議論の過程を全てすっ飛ばしていますよね。
そう、そんな細かい議論が出来ないんです。浅いんです。彼は。

そして挙句、番組「正義のミカタ」でも留学生の方が優遇されている説をばらまくという害悪ぶり！！！
もちろん、国費留学生が極めて限られた枠だということは言及していません。もちろん。

 

 


つまり知性は浅いが影響力は高い！
いやはや今年は豊作の年で群雄割拠で切磋琢磨。蟲毒を勝ち抜き堂々の第１位！！！

①デマの拡散力　12点

②デマの深刻さ　10点

合計得点：120点

ぶっちぎりでしたね！！！すごい！！！！

続いて特別賞の紹介です。


特別賞①
あやこ

 

 

「国費留学生は中韓で７５％を占める。」

(´・ω・｀)？？？？？

(´・ω・｀)？？？？？？？？？？？？

どこからどういう計算を持ってきたのか大いに謎。
実際は中国から834人（国費留学生の9.5%）、韓国から565人（国費留学生の6.4%）。合わせて約16％（2020年）。

留学生全体の話かな？と思えなくもないのですが・・・留学生全体でも、
中国から121,845人（全留学生の43.6%）、韓国からは15,758人（5.9%）です（2020年）。
75%とは・・・

正直今まで見たことがない、新しいデマでした。新たな地平を切り開いたということで、特別賞入賞です！おめでとうございます。

①デマの拡散力　5点

②デマの深刻さ　8点

合計得点：40点
特別賞の選考理由：見たことない、デマのパイオニア



特別賞②
内海聡

 

 

「有名な話だが」との前置きで、「しかし中国人留学生などの外国人留学生は奨学金すべて返済不要。」

いやー、パンチのあるシンプルでトラディショナルなデマですな。「有名な話だが」の前置きがまた哀愁漂う。そうだね、有名なデマだね。
この人、そもそもは医師とか何かじゃなかったでしたっけ。

医師すら外国人デマに手を染める時代！ということで、特別賞を授与します。おめでとうございます！！

①デマの拡散力　8点

②デマの深刻さ　6点

合計得点：48点
特別賞の選考理由：医者なのに留学生デマツイート



特別賞③
May_Roma めいろま　谷本真由美

 

中国人留学生には航空券や月14万円を支給…スパイ防止法がない日本、「外国人は好待遇」の謎【元国連職員が解説】 | ゴールドオンライン日本には、国費によって海外からの留学生を援助する「国費外国人留学生制度」が存在します。本国の学生にはないこの好待遇、利用者の9％を占めるのが中国人です。そのため、日本は中国人留学生に対して最もフレンドリーな国のひとつといわれています。一方、アメリカやイギリスは真逆の状況で、中国人留学生の受け入れを禁止し始めていると、元国連職員の谷本真由美氏はいいます。海外と…リンクgentosha-go.com

 


ちょっと迷いましたが、ま、この記事は確信犯でしょう。
「中国人留学生には航空券や月14万円を支給…スパイ防止法がない日本、「外国人は好待遇」の謎【元国連職員が解説】」というタイトル、
そして記事で国費留学生が留学生全体の3%であることは触れない点、中国人留学生の国費留学生は中国人留学生の0.7%に過ぎないことにも触れない点は、明らかに真実に対して不誠実。
「こういうタイトルをつけて煽れば閲覧数が伸びることを分かっていて」書いている（書いていない）のではなかろうか。
ということで、少し選考基準からずれてしまうので特別賞扱いです！おめでとうございます。

①デマの拡散力　8点

②デマの深刻さ　選考基準外

合計得点：なし
特別賞の選考理由：選考基準から少しずれるけどこれはこれで十分悪質

 

最後に

いやー、2023年度はやばい群雄割拠でした。

「留学生デマ」界隈としては、議員候補者、そして地上波テレビにも進出したというのは印象的な一年間でしたしね。

それに新しいデマも誕生しました。「170万円」事件とか、あとくつざわ氏のトンでもねえぶっ飛んだ王者の一撃とか。

あと「日本人留学生に奨学金を出す政策なのに『外国人留学生に奨学金を出す』と勘違いしたネトウヨが怒り狂う事件」とか。

 

 

そうこうしていると・・・そのうち「国費留学生廃止法案」とか出てくる日もそのうちくるんかなあ。

 

ともあれ2024年度もよろしくお願いします！