ほぼ一か月前のこと。急に右足首が傷み出した。痛みなんて生やさしいものではなく、まさに激痛。歩行困難どころか足首をどんな角度にしてもとにかく痛いのだ。大の大人、というか、いい年こいた初老が泣きたくなるくらい。
数年前も同じ目に遭ったことがあった。そのときは周囲の誰もが「それは痛風だ!まちがいない、日々の不摂生が祟ったのだ、言わんことではないだろう」と、なぜか嬉しそうに満面の笑みで励まされた。
しかし、さっそく病院に行ったら「単なる炎症ですね」といわれたので皆さんに報告したら、がっかりされた。なんで?
それはともかく、これも前回のように徐々に痛みも退いていくだろうと油断していたら、なんてことでしょうブンブンに腫れてきたではありませんか。うっ血したロースハム用肉の塊に調味液をたっぷり注入された感じで、めっちゃ不気味。
このときばかりは、普段は大嫌いなお医者さんにすがりつきたい気持ちになって近所の整形外科に行ったら、血ぃ抜かれて分析されてしまった。
その結果として難しいことをつべこべ云われたけれど、あれとかこれは食べない方がいい、それから無論酒も控えろ、そこだけは理解できました。
あの不気味なまでにどす黒く腫れた足の衝撃で、残りの人生はひたすら摂生を貫きますっ!と思わず心に誓ってしまったのですが、冷静になると、「残りの人生」と簡単にいうものの、それなりにあるのだからちょっと軽率だったとかな、数日後には後悔している自分がいた。
食べるものを我慢するのはそれほど苦痛ではないのだが、僕のこれまでの人生の三分の二もの期間ずっとそばに寄り添ってくれていたお酒に対して急に冷たい態度を取らねばならない、これがどうにもこうにも辛くて、毎晩のように枕を濡らしているボク…。
朝起きたときの体調の良さを実感するにつけ、ああ、酒と訣別できてよかった!と思うのですが、午後三時くらいになると、酒瓶を片手に持って薄ら笑いを浮かべた別人格が現れる…。
あの激痛の記憶そして出来損ないのロースハムのような足の残像バーサスお酒たちと過ごしたバラ色の日々の思い出が、両の肩に乗っかっていてそれはそれは苦悩ってものなのです。
