ウィキペディアの中から、たまたま五七五七七になってる文を短歌として抜き出した本。



いなにわ氏がプログラミングで5000首集め、せきしろ氏が100首選出してコメントを付けている。


大当たりやったので、ここで何個か紹介したい。


本作最初の一首がこれである。



アルメニア、
アゼルバイジャン、
ウクライナ、
中央アジア、
およびシベリア


(ウィキペディア「モロカン派」ページ)


字が機械的に埋まってる気持ちよさ。

そして「および」で感じることができる人間らしさが温かい。


そうかと思えば、人生を説いてくれる一首もある。



ある道を
右に曲がれば
東大で、
まっすぐ行けば
公園なのね


(ウィキペディア「マッスル北村」ページ)



他にも。



沈殿を
防ぎ書面が
光らない
工夫をしたが、
またも叱られ


(ウィキペディア「呉竹」ページ)


せっかく工夫したのにまた叱られたんかい。

これは「呉竹」という文具メーカーが、業界初の書道用液体墨汁を発売したが、受け入れられなかったという短歌。

笑ったあと、ハッとさせられた。


最後に、わいが一番気に入ったのを。



照らされて
雨露が輝く
半分の
クモの巣だけが
残されていた


(ウィキペディア「くもとちゅうりっぷ」ページ)



【関連】せきしろ氏編①