今回、大阪市廃止・特別区設置に関する話題ではございません。
議題は、『維新に学ぶ自己弁護術』
維新の話術については、
分かりやすく話してくれていると讃える声がある一方、
嘘ばかりで騙されているようだと非難されることもあります。
なぜこのような評価になるのかを解明し、
よい物は取り入れようという趣旨です。
では、例題を用いて説明していきます。
まず、維新的発言を述べますので、
そこにどのような真実が隠されているかを考えてください。
Q1:「国語のテストで、前回は50点、今回は60点に上がった。
私は大きく成長した」
(解説)
何も違和感は感じませんでしたでしょうか。
50点も60点も大差ないから、大きく成長が言いすぎ?
いえいえ、そもそもこの情報だけでは善し悪しが判断できないのです。
テストって毎回問題違うし、前回と今回で比べることはできませんよね。
比較するための基準として、統計学では標準偏差や「平均」を考えます。
前回の平均点が50点、今回が30点なら成長していると言えますが、
前回の平均点が50点、今回が65点なら成長どころか平均を下回って後退しています。
Q2:「ボーナスをカットした。私は身を切る改革をした」
(解説)
うんうん、ボーナスをカットしたなら身を切る改革で納得、となりましたか。
しかし、こちらもQ1同様、判断基準が欠けています。
皆さん、所得が多いか少ないか、何で判断しますか。
そう、「年収」です。
一般に、ボーナスをカットしたら年収は下がるでしょうが、
実際には月給を上げており、年収は減っていなかったら(それどころか増えていたら)、
身を切っていることになるでしょうか。
維新的話術のポイントをまとめます。
・伝えるフレーズは短く、具体的な内容を提示する
・判断基準となる指標は、提示しない
結果として、聞き手は具体的な内容を提示され「分かりやすい」と感じる一方、
必要な判断基準が提示されないため「騙された」感じがするのです。
確かに事実の一部を提示しているので、維新は嘘は言っていないと反論するし、
判断基準は聞き手が想像するしかないので、維新は受け取り方に問題があり、
そういうつもりで言ったのではないと反論します。
このように、常に自分が不利な状況になることを避ける、
最強とも言える自己弁護術なのです。
これまで見たように、判断基準を悟られることなく、数値など具体的な内容を提示することで、
常に自分への攻撃を回避し、自己弁護を図ることができます。
注意点としては、相手がその道のプロで詳しかったり、論理的に考えるような人であった
場合、判断基準は見透かされ、まったく歯が立たない点です。
その場合は、不機嫌になって声を荒げたり、関係ない話を出す等して全力で逃げて下さい。
以上、維新から学んだことをまとめましたので、ご活用ください。