親愛なるマリヤへ

 

表面上の言葉で 

だいたいにおいて

ひとは判断してしまう

 

このひとはいいひと

このひとは悪いひと

 

私は それは

間違っていると思う

 

旦那が生きるか

死ぬか

生死を彷徨う長い期間

 

他の誰よりも こころを痛み

次男と共に苦しみ

次男と共に悲しんだか

 

そこには誰も 計り知れない世界がある

 

ひとりのこころ傷ついた女性

次男が誰よりも愛した女性

 

次男が寝たきりになっても

ずっと傍を離れず

懸命に次男に愛情を持ち続け

接してくれた “ 大切なひとりの女性 ”

 

確かに “ 暴言 ” かも知れない

それは 言葉を発しなければ

自分を支えられない環境下にあったから

私はそう思う

私は次男を思うように

次男の奥さんを思う

 

ずっと健康だったなら

こんなことにはならなかったのに

 

“ 幸せ ” とはいったいなんなのだろう

とりわけ 今 次男と次男の奥さんの

 “ 幸せ ” とは

 

私は神に問いたい

いったい何なのだ

 

私はお金を持っていない

ただの精神障がい者

たったひとりの

 

そして

ひとりの父親でもある

そこからは逃げられない

そして

私は “ ふたりの幸せ ” 

願うこと以外何も出来ないでいる

 

私の作業所の工賃は30分100円

そんな世界に暮らしていても

私は幸福

 

私は “ 家族 ” “ ふたり ” に

伝えたいことは

 

幸福は お金じゃない

 

離れて暮らしても 幸福はある

新しい幸福が

 

先月 次男の手のぬくもりを感じながら

私が思ったことです

 

次男は他の誰よりも優しいから

奥さんの幸福を願っている

 

気づくのに

時間はかかるかもしれないが

 

私はそっと

離れて見守る

 

それが次男を愛してくれた女性に出来る

私(父親)の唯一の優しさなのだから

 

              三好 弘泰