親愛なるマリヤへ

 

     ぞうきん

 

こまった時に思い出され

用がすめば、すぐ忘れされる

ぞうきん

台所のすみに小さくなり

むくいを知らず

朝も夜もよろこんで仕える

ぞうきんになりたい

 

ぞうきん

河野 進 著

幻冬舎 発行所