風邪をひいて

私は高熱を出した

あれは小学校5・6年生

だったと思う

重い体重の私をおぶって

病院まで連れてきてくれた母

 

中学校のお弁当のおかず

頼むから高野豆腐だけは

やめてくれ

汁が毎回こぼれてくるから

ついに教科書が汁まみれになった

母さん

 

兄が赤ちゃんの頃

家じゅうの家族から虐められ

兄はミルクさえ飲ませてくれなかった

おかいさんのおもゆだけだった

 

それでも母は我慢した

あかちゃんの兄がいたから

 

母は耐えた

 

苦労苦労の連続で

 

農家の長女で生まれ

勉強できて勉強すきで進学したかったのに

母は中卒

働いて下の兄弟の学費に

自分の給料をあてた

 

そんな母に

さらに私は苦労をかけた

 

私はひと殺し

母の寿命を何十年

短くしてしまった

 

母の幸福を願う

母亡くなって10年以上たってから

 

今さら、花をそなえたら

母は喜ぶのだろうか?

今さら、線香に火をつけ

手をあわす

それで天国の母は喜んでくれると言うのか?

 

ああ、お母さん、ごめんなさい

私に、残された人生を

母に捧げます

 

でもどうしたらいいのでしょうか?

 

母以上の女性はいない

余りにも辛すぎる人生を生きた

 

言葉にすると薄っぺらくなるが

 

“ 感謝 ” しています

 

せめて、私は、今を精一杯生きます

 

ありがとう。

おかあさん。