私は地図を頼りに

雨に濡れながら

歩いていた

あなたと逢えるとは知らないで

 

その夜

すがる思いで

夜の街を彷徨っていた

 

そしてあなたと出逢った

そっと傘をさしだしてくれた

私に

静かな笑みを浮かべて

 

あなたは

私の心を見透かしていた

外は雨で土砂降りなのに

静かな空気が流れていた

 

涙が止まらなかった

なぜか

私はあなたに心の内を全て打ち明けた

心の傷に布をあてるように聞いてくれた

 

そっと手を差し伸べたあなた

私はあなたの手に涙した

子どものように

 

あなたの手の温みを今も忘れません

あの6月の雨の日に