古典中の怪談(20) | 伝説のライターブログ

古典中の怪談(20)

宇治の橋姫:Ⅵ

さて、宇治の橋姫です。

醜いと言われたり、嫉妬に狂って鬼になったと言われたり、踏んだり蹴ったりですが(^^ゞ

源氏物語の宇治十帖にも「橋姫」という帖があり、和歌にも「橋姫」が歌われます。
そして彼女たちは恐ろしい鬼ではなく、はかなく愛らしい女性として描かれてるんですね。

ではいったい、宇治の橋姫とはなんだったでしょう?

一つ考えられるのは、宇治川の流れそのものではなかったかということです。
清らかな川を美しい女神と称えるのはありそうなことですね。

そしてもう一つ。
彼女は宇治橋を守る女神だったのでは……?
そう、つまり、宇治橋の人柱ではないかという説です。

宇治橋のたもとに生きながらに埋められる、清らかで愛らしい姫。
その想像もまた、恐ろしいと思うのですが、実際、日本だけでなく、橋の建造に際しては、「橋守り」を埋めることが多かったようです。
それだけ重要な施設なんでしょうね、橋って。

「ロンドン橋」の歌も人柱の歌だっていう説があります。

London bridge is falling down
My fair lady
の歌詞が怪しいって(笑)

宇治の橋姫は、どのような女性だったのか。
私はできれば、「清らかな川を守る姫」であってほしいと思っているのですが……。

(文中、敬称は省略しています)




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