大阪の弁護士 重次直樹のブログ

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代表社員弁護士 重次直樹 (本部)重次法律事務所

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令和8年路線価 地価・マンション価格・家賃,価格変動の違い

令和8年路線価が公表された。近時は上昇傾向が強い。事務所周辺も昨年より上がっている(8%余)。

【令和8年↓】

【令和7年↓】

バブル崩壊後のボトムはH17辺り。

【平成17年↓】

H17→R8では,7倍くらい,値上がりしている。

 

もっとも,バブル期の路線価ピークには,全く届いていない

事務所周辺道路では,H3の方が,直近のR8の路線価と比べて,1.3~1.5倍くらい高かった(現在の方がずっと安い)。平成バブルの凄まじさは,昨今の地価上昇の比ではない。昨今の物価上昇は米や食糧品の値上がりが大きい点で極めて問題であるが,オイルショック時の物価上昇やバブル期の地価上昇と比べると,小さく見えてしまう。

 

実勢地価の振れ幅は路線価より,更に大きいと思われる。

金融緩和の力による暴力的な値上がりにより,貧富の格差,法人・個人の格差がどんどん広がり,少子化にブレーキが効かなくなることを懸念している。若い人がマンションや家を購入して子育てすることは,首都圏や大都市中心部では,どんどん難しくなっている。

 

自宅兼事務所のマンションを新築分譲で購入した平成23年の路線価は以下で,令和8年までに5倍くらい値上がりした。

【平成23年路線価↓】

路線価は5倍くらいになったが,マンション価格はそこまで上昇しない(建物比率が高い。値上がりは2倍くらい)。

さらに,家賃相場は,経年劣化の影響や法制度による制約もあり,ほとんど変わっていない。

 

路線価が5倍になったから,あるいは,バブルピークから8分の1に下がったから,といって,マンション価格が5倍とか8分の1になることはなく,まして,家賃が5倍とか8分の1になることもない。同一物件の家賃の変動率は極めて限定的である。

 

消費者物価の家賃指数は,地価やマンション価格に連動しないことは勿論,消費者物価総合指数にも連動しない。同一物件では老朽化の影響で物件価値が下がるから,家賃が同一でも,劣化による物件価値減を加味すれば,実質値上げと評価できる(土地と異なり建物には経年劣化がある)。新築マンションの新規募集賃料が上がっても,継続家賃が上がらないのは,法制度上の理由以外に,このような経済的な合理的理由がある。

 

消費者物価指数(総合)が上がるから,賃貸借契約更新時に家賃が同程度上がることは,現実には起きていないし,今後も起こりそうにない。消費者物価総合指数と同程度の値上げを求める家主の要求は,なかなか通らない。

 

 

この点について,みずほ銀行調査部 経済調査チーム 主席エコノミスト河田 皓史氏は以下の点を指摘する(2024年3月14日)。

→ CPI家賃はなぜ上がりにくいのか フロー家賃上昇の波及はごく緩やか

・CPI家賃の上昇率が弱い要因に,①経年劣化に伴う品質調整を行っていない ②ストックベースの家賃であること,がある
・CPI家賃も先行き上昇する可能性が高いがペースは極めて緩慢,前年比+1%に達するのは2027年度以降とかなり先になると見込まれる

 

同様の指摘は多くの専門家が行っている。

 

継続家賃が据え置かれても,物件の経年劣化による価値減少を考慮すると,実質値上げした効果がある。したがって,新築マンションの新規募集賃料の平均が上がっても,古くなった物件の継続賃料が同程度上がらないことには,簡単に家賃を変更できない(値上げも値下げも難しい)法制度上の理由以外にも,上記の経済的な合理的理由が存在する。

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