上着は必須、中高生のオシャレ事情
 ここ数年、私の学校で、「上着文化」が流行っている。雨や暑さにかかわらず、生徒が制服の上に上着を羽織っているのだ。日差しが照りつけるなか、上着を羽織る生徒を見るだけでも暑苦しいのだが、授業も体育の時間も一年中、生徒たちは上着に汗が染みても頑なに脱がない。

 国旗掲揚式に訪れれば、校庭一面に広がる上着を見て、涼しいダラットにいると勘違いするかもしれない。さらに色は、紫に染まったり、茶色に染まったり。

 生徒たちはどうやら、芸能人を真似ているようだ。ファッション雑誌で紹介されている上着を買う生徒もいる。それが、母親が一週間働いて稼いだ金額と同じだと知りながら。

 サンダルもお洒落のひとつのようで、なかでもホワイトがイマドキらしい。ある生徒は、「先生はお洒落を知らないでしょ? 私の履いているサンダルが今の流行だよ。それと上着ね!」と言う。

■タトゥーは友情の証!?

 最近はタトゥーも流行っている。高校生の甥っ子が、手首に奇妙なデザインのタトゥーを彫り両親を驚かせた。聞けば、友人たちが流行りの音楽グループのメンバーを真似て、デザインを選んだと言う。タトゥーを彫るのは数十万ドン、だが数百万ドン払っても完全に消すことはできなかった。「タトゥーを彫ってから、みんながよそよそしくなった」と甥っ子は後悔しているようだった。

 俳優や歌手がピアスをしているのを見て、男子生徒はすぐに真似た。ピアスの穴を開けるのにも1万ドンしかかからず、痛くなければ、なんのためらいもなく開けてしまう。ピアスをつけることで「ほかの子とは違う」と自慢する親さえいる。