プラセンタの肌への効果・効能
人間以外の哺乳類は出産後に自分の胎盤を食べてしまいますが、これは血液の臭いを消す目的のほか、「栄養の宝庫」である胎盤を摂ることで体力の回復を促しているとも考えられています。
人間の世界でも、プラセンタに含まれる豊富な成分が傷や炎症の自然治癒力を促進することは古くから知られており、古代ギリシャの医師・ヒポクラテスが治療に用いたという説もあります。
日本では、1950年代から医療機関にて肝硬変・更年期障害・乳汁分泌不全などの治療にプラセンタ薬が使用されるようになりました。最近ではエイジングケアブームもあり、プラセンタの美容効果が特に注目を集めています。
以下に、プラセンタの主な効果について紹介します。
美容や育毛などでも使用されるプラセンタの効果
- 自律神経、ホルモンバランスを調整する
- 組織修復作用がある
- 病気への抵抗力を高める
- 抗アレルギー作用がある
- 抗炎症作用がある
- 代謝を活発にし臓器や細胞の働きを活性化させる
- 肝臓の働きを高める
- 活性酸素を除去する
このような効果・効能により、プラセンタは医療機関のみならず美容や育毛など、幅広い分野で使用されています。
経口による摂取方法の効果
プラセンタは、体内に原液を直接注入する注射での摂取が一番高いとされており、経口摂取時の効果は科学的な根拠が少ないとされています。しかし、経口摂取の有用性が示されたという研究結果も少なくありません。
以下に、行われた研究とそれにより示された効果についてまとめました。
シミ・シワ・たるみの予防に期待
紫外線を長年浴び続けるとお肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンが破壊され、シワやたるみの原因になります。また紫外線は表皮のメラニン細胞も活性化させるため、シミの原因にもなります。
プラセンタには、肌の細胞を活性化させターンオーバー(お肌の新陳代謝)を促進させるアミノ酸や成長因子のみならず、抗酸化作用で細胞の酸化(サビ付き)を防ぐ生理活性成分なども豊富に含まれているため、紫外線ダメージによるシミやシワを改善する効果が期待できるとされています。
大手メーカー研究所では、マウスにプラセンタエキス含有の試験食を与える研究を行いました。その結果、試験食を与えたマウスと与えなかったマウスとでは、与えたマウスの方が紫外線ダメージによる皮膚水分量の低下が抑えられたという結果が出ています。
また同研究所による成人女性へのプラセンタの経口摂取実験では、3カ月間摂取した場合としなかった場合では、した場合の方がシミ・ソバカスの原因となる色素沈着の増加を抑制できたという結果も出たそうです。
コラーゲンの生成促進による肌の弾力アップに期待
プラセンタには、美肌効果があるとして最近特に注目を集めているペプチド、DNA(核酸)、ヒアルロン酸(ムコ多糖体)や、体内への吸収率が高い単体のアミノ酸などが含まれています。これらの効能で新陳代謝がアップすることによりコラーゲンの生成が促され、肌のハリがよみがえるとされています。
ある製薬会社の実験では、プラセンタエキス配合ドリンクを2カ月間摂取した結果、細胞増殖に関与する成分(成長ホルモンの一種)の血中濃度が上昇し、お肌の弾力が改善されたとの報告があります。これは、プラセンタエキスの経口摂取での美容効果が実証された研究成果として、日本抗加齢医学会総会で発表されました。
この他にも30名の男女による体感アンケートを実施した結果、肌の乾燥改善、肩こり・腰痛の改善、疲労感の改善などに効果が見られたという報告もあります。