だから一人じゃ | お~ずかんてん

だから一人じゃ



気を遣いすぎるホステスが言った。
「いくら気を遣っても相手に見返りを求めてはいけない。」

淋しがりやな猫が悟った。
「いくら淋しくても生まれ変わったら人間や魚にはなりたくない。」

強がりな造花は思った。
「いくら強がっても一瞬で見抜かれていることは知っているんだ。」

飛べないカモメが気づいた。
「いくら飛べなくてもあの雲の向こうはきっと輝く未来があるんだ。」

そして、泣いている少女を見て少年は言った。、
「自分を思って涙を流せることは幸せなことだよ。」

人は常に客観的な情報を取り入れ成長を繰り返しながら、思ったり悟ったり泣いたりして、自分の脳みその回路を組み立てていく。未来の思考回路を。

客観的な情報。言葉が持つセンシティビティ。
だから一人じゃ生きてけない。

だから一人じゃ夢も語れない。
だから一人じゃジャンケンも出来ない。
だから一人じゃ鍋も食べれない。
だから一人じゃシイタケやセロリも食べれない。


なんてことを思う立冬過ぎの日曜日。