職場などで、キレて相手を言い負かして大騒ぎする人、家でキレてDVで奥さんに暴力を振るう夫、また中にはキレて交際相手を殴る人というのもいます。

彼等がキレると、何を仕出かすか判らないので周囲の人にとっては恐怖でしかありません。
しかし、その恐怖の時間帯を過ぎて、元の姿に戻った時、彼等はどんな様子でしょう?
あなたもキレられた経験があると思いますが、その後、相手はどんな行動をしていたか覚えていますか?
今回は、このキレた後の様子について書きます。



キレて大騒ぎした後の姿として代表的なものは次の三つがあります。

1、怒ったことを謝るけど、その謝り方が激しく大袈裟で異常
2、何事も無かったような態度で接する
3、変わった行動をする



まず1の「怒ったことを謝るけど、その謝り方が激しく大袈裟で異常な人」について
特に夫婦や恋人などの間でよくでるものとしては

●怒ったことを泣いて謝る
●さらに、土下座して謝る
●深刻な顔をして、自分を見捨てないでくれ、と言う
●オマエに捨てられたら自分は生きていけない、と言う
●自分が悪かったと泣きながら、相手を抱きしめる


自分の怒りが暴走していることに気付いて、相手に謝る、というのであれば当然ですが、このように、その後の行動が極端といえる人もいます。

怒っている時間よりも、長い時間泣いて謝ることもあります。
そうしてだんだんと落ち着いてきて、普段の様子に戻っていきます。
こういった人は、感情の起伏が激しい人といえます。

自分のしたことへの後悔の念や恥ずかしさもあるでしょうが、そんなことをしてしまった自分を相手に許してもらう、といった気持ちの現れといえます。

このような行動は境界性のボーダー傾向に多く見られます。
泣いて謝る姿を見て、「この人は本当に後悔しているんだ」と思ってしまいますが、これは後悔しているからではなく、「見捨てられる」ことへの恐怖からきているものです。

こんな感情の起伏がどれくらいの間隔で来るのか。
人によって様々ですが、毎日の人もいれば、毎週、毎月定期的な人もいます。
このような人を相手にしていると、その感情の振れ幅の大きさに振り回されてしまい、いつ怒り出すのか、次は何を仕出かすのかと心配になります。

そして、この人はいったい何を考えているのか、という思いも増していき、ストレスからあなた自身が病気になってしまいます。


次に2の、「何事も無かったような態度で接する人」。

これもあちこちで見ることができます。
激しく口論して、相手を攻撃した後に

●オマエとは今後、一切喋らない!
●オマエとは絶交だ!
●オマエの顔なんか二度と見たくない、出て行け

と言っていながら、時間が経つと話し掛けてきたり、数日経ってから食事や飲みに誘う人がいます。

絶交したんだろ?と思ってしまいますが、本人は覚えていなかったり、「それは済んだことだから」などと言って曖昧に答えてきます。
しかも、怒ったことについて、何も言わず何も説明しません。

怒ったことを恥ずかしく思っているのか、とこちらは思ってしまいますが、そうでもないようです。
つまり、本人の頭の中では「無かった事」になっているようです。

自己愛傾向でもありますが、特に境界性のボーダーでは、まったく覚えていない、薄っすらとしか覚えていない、ということがあります。


異常なくらい怒られたら、普通の人であればしばらく話したくもないし、顔も見たくもありません。
しかし怒っていた当人は、

なんでアイツはオレを避けるんだ?
アイツはオレを無視している

と言い出す始末です。
そうしたのはオマエだろ、と誰もが思いますが、本人はそんなことまったく理解していません。

さらに、オカシイのは、こういった事を同じ相手に年に数回している人もいる、ということです。
何か月かおきに、絶交を繰り返しているのです。
絶交という言葉の意味を、一定期間の断絶、とでも思っているのでしょうか。

境界性の場合は「見捨てられ感」から、やり過ぎと思えるほどの謝罪や卑屈な態度で接してきますが、自己愛の傾向では、「何事も無かったような態度」というのが多いようです。

交際相手とケンカして相手が逃げた時も、「なんで逃げるんだ?」、「どうして避けるんだ?」と、声を掛けてくることもあります。

特に男性で、自己愛傾向だと、相手女性との縁、繋がりを切ることができるのは自分だけ、と思っているので、交際している女性が逃げても追いかけることがよくあります。
自分に対して反抗してきた、というのであれば敵とみなして、スッパリと切り捨てます。


3,変わった行動をする

謝りながら、というよりも、怒りが落ち着いた頃、何も言わずにこんな事を始める人もいます。

●クローゼットから服を出して来て、ハサミで切る
●壁やテーブルに、頭を打ち付け続ける
●ブツブツと、何かをずっとツブヤイている
●謝りながらも、今度そんなことを言ったら殺すゾ、と言って脅す
●夫婦の場合、「妻が反抗的」と自分の両親に告げ口する

特にはじめの3つは、子供がする行動にも似ています。
これは自尊心を守るため、自分は悪くない、という思いから、自分が非難されるのを防ぐためといった防衛行動からの幼児退行といえます。
子供が拗ねたり、いじけたりするのと同じともいえます。

また、自分の親に告げ口する、といった行動は自己愛傾向が強ければ、あなたにとって不利な話しも作り出し、ウソでもなんでも告げ口します。

脅すのであれば、あなたを敵とみなしているフシがあります。
どういった方法で今後攻撃してくるか判りませんが、多くの場合、経済的な締め付けや時に身体的な暴力、あなたについてのウソを周囲にバラまく、といったことをしてきますので注意が必要になります。


以上、キレた後の行動を3種類紹介しました。
あなたの周りでもこんな人がいると思います。
こういったキレ方を繰り返す人は、オカシイのは明らかです。
言いがかりをつけて絡んできたり、利用するために離れなかったり、害を及ぼす可能性は高いモノです。

時折見せる、謝罪の態度に騙されてはいけません。
本心はどこにあるのか、と考えても答えは見つかりません。
何をしたいのか、ということも本人だって分からないかもしれません。

距離を取って行かないと、あなたが振り回され、カサンドラ症候群になってしまいます。

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