あなたは、友達だと思っていた人、親友だと思っていた人から
「お金を騙し取られた」「モノを盗まれた」「悩み事を相談したら、いつの間にか言い触らされた」
といった経験はありますか?

また、「親切で優しい時と、心が折れるような酷いことを言ってくる時がある」、友達だと思っていたら、とんでもない食わせ物で、本当は敵だった。
といった経験をした人はいますか?

もしいたら、その友達はフレネミーかもしれません。
友達を装って近づく敵、フレンドがエネミー、ということでフレネミーという名称があります。

友達のフリをしてあなたに近づき、あなたを攻撃してくる人がフレネミーです。
友達、親友と言ってもいいような時もあれば、攻撃性を発揮してトコトン追い詰めてくる、フレネミーはそんな、味方なのか、敵なのか、よく判らない姿を見せます。
今回はフレネミーについてお話しします。

4月になって、新しい職場や学校、新しい仲間ができる時期になると一気に湧き出て来るのが彼等フレネミーです。

相談に乗るフリをして、あなたから聞き出した悩みや弱みを知り合いに言いふらしたり、
悩みが悪化するような、アドバイスをわざとしたり、あなたを見下して優越感を抱いたりします。

多くの場合、フレネミーになる原因は、自己愛や嫉妬心が強く出ることによると言われています。
つまり、自己愛性パーソナリティー障害の傾向にある人が、フレネミーになって行く、と想像できます。


味方になって親身に接する、敵となって攻撃してくる、これを繰り返す、と言う点は、感情を揺さぶっている、と思っていいでしょう。

同一人物から親切にされたり、嫌がらせを受けたりを繰り返されると、心を許したり、傷つけられたりが繰り返され、精神的に不安定になってしまいます。仕事でミスが増えたり、思い違いを起こしたりと、心ここに有らずで、公私ともに物事に集中できなくなってしまいます。

むしろ、「この人は嫌」「この人はアウト」「この人はセーフ」等と特定できる人物との付き合いの方が、フレネミーよりもマシと言えます。

いい人なのか?  悪い人なのか? いったい何なんだのこの人は? と心を不安にさせるフレネミーは心身に大きなストレスを与えるので危険です。

フレネミーは男女どちらにも存在します。
そして、
フレネミーは大きく2つのタイプに分けられます。

1.人を利用するタイプ

2.人を従属させる、支配するタイプ



1.人を利用するタイプ

このタイプのフレネミーは、親しい間柄を演じることで自分のわがままを押し通そうとしたり、相手に甘えて自分だけがおいしい思いをしようします。

相手に奢らせたり、支払わせたりと、直接的で判り易い利益を得ようとします。
その時に使う言葉は、「いつも手伝っているんだから」、「友達だろ」といったこちらが否定しにくい言葉を使って、逃げ道を塞いできます。

しかし、彼等はどれだけ恩恵を受けても、利益を得たとしても、周囲の第三者には「アイツはセコイ」「ケチなんだ」といったことを言いまわります。

2.人を従属させる、支配するタイプ

このタイプは、身近な人間関係の中で、見下せる存在を求めています。
そして、確実に自分の方が優位に立てる状況を作るために、
周囲には「アイツには裏の顔がある」、「おとなしそうに見えて、じつは……」といった情報操作をして、ターゲットを孤立させようとします。


また、直接、「常識的に言って、あなたは間違っているよ」とか、「私以外あなたと親しくなってくれる人なんかいないよ」など、ターゲットになった人の自信をなくすような言葉を使い、相手を従属させていきます。


フレネミーの特徴としては次の6つがあります

1.自分の話をせず質問が多い

2.悪口が多い

3.いい人・被害者のふりをする

4. 昔からの友達がいない

5.ターゲットの周りの人と仲良くなりたがる

6.プライドが高い


1.自分の話をせず質問が多い

「悩みがあるなら聞くよ?」、「困ったことはないか?」等と、親切そうに質問してきます。
しかし、本心は相手を陥れるための弱点などの情報収集することです。

本当に親切な人との違いは、自分のことについては適当にごまかしたり、アヤフヤな返事をすることで、ボカしている点です。
自分の弱点を相手に知られたくないので、自分の話は全くしないと言って良いでしょう、

2.悪口が多い

「●●さんは、こうなっているらしい」、「●●さんはこの程度しかできない」など噂話、陰口、悪口が多い、というより、そんな話しが好きなのがフレネミーの特徴とも言えます。

またターゲットに対しては、褒めながらも否定する、ディスるといったことを同時にします。
提出書類で「よくできているね、でも使えないな」と言った表現をする上司もいますよね。

3. いい人・被害者のふりをする

ターゲットとその周りの人たちには、いい人のふりをして近づいてきます。

その際、相手を味方につけるために、
「●●さんには酷いことを言われ続けた」
「●●の職場では、酷い目に遭った」
などと、被害者のフリをして同情を買うのが定番と言われています。

4.昔からの友達がいない

幼馴染や中高時代の友達など、古い友人関係がないのもフレネミーの特徴です。
あらゆる場所で人間関係を壊してきているからで、良好な付き合いができないため、古い友人がいません。

5.ターゲットの周りの人と仲良くなりたがる

ターゲットが入っているグループの集まり、友達同士の飲み会といった場所に入り込もうとします。
そうすることで、これはターゲットの周囲の人と知り合いになり、彼等に悪口を吹き込み、孤立させて、自分の支配下におこうとするためです。


6.プライドが高い

顔、容姿、服装、学力、記憶力、学歴、出身校、出身地、など相手を下に見たマウントを取って、プライドの高さをあらわにする特徴もあります。

自分よりもチヤホヤされ、幸せそうに見える相手には攻撃的です。
そして、自分より下、と判断した相手にはマウントを取ります。

 

こうやって説明してくると、ハッキリと彼等は自己愛性パーソナリティー障害の傾向が十分にある、または、そのものズバリだと言えるでしょう。

だから、親切だったり敵対的だったりと、あなたの感情、心を常に揺さぶろうとします。
こんな行動をする相手に対して、マトモな意見、

「そんな人付き合いの仕方は間違っている」等と注意しても意味がありません。
彼等は、自分の論理、自分の世界観の中で生きています。
こちらの常識も通用しません。

意見する、注意する、ということは彼等にとって反抗してくる悪人、自分達の論理を否定する異端者、と判断しさらなる攻撃を仕掛けてきます。

自己愛性パーソナリティー障害の傾向がとても強い人たちは、私たちの考えが及ばない攻撃をしてきます。気を付けてください。


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