インドにいって農業みてきてビビった。 | 農産物の産直マーケティング企業 オリザの公式BLOG

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CEO小平です。
Twitterでも書いてますが、最近、うちの会社では海外農業開拓を進めてます。
先週、インドに農場探しにふらっと行ってきました。

<内容の3行まとめ>
イスラエルの農業資材企業が進出しているので、すでにインド農業法人に対する日本の農家の技術的優位性は無い。東京まで収穫から24~36hrで運ぶコールドチェーンは整備されている。このままだと、日本の普通の物を普通に作ってる農家さんはやばい。

<本文>
インド農業を見に行くにあたり、自分の持っていたイメージは強酸性の土地で南国的な微妙な商品作物をぼそぼそと作る、、もしくは山の急斜面の茶畑です。

しかし、現状はすでに数十ha規模の集約的な園芸栽培が行われており、イスラエル製の環境制御装置や溶液栽培の灌漑管理装置を利用した先進的な栽培が行われてました。


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上の写真は今回、訪ねた花卉法人です。A品のほぼすべてを日本に航空便で送ってます。年中暑いので(乾期、雨期はありますが)、ビニールは透過性でなくてUVカットです。温度の維持は必要でないので、おもにCO2集積と雨期の雨よけのためのハウスとの事です。変な屋根をしてますが、OPEN WINDタイプというそうで、モンスーンに強いそうです。あとはハウス内の湿度が上がりすぎるのを防ぐのかな。多分。

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素焼きの鉢の中のはココピートです。一見、粗野な栽培に見えますが、液肥はイスラエルのGALCONのFERTIMIXでPH、EC全部 20haのグリーンハウス全部コンピューター制御されてます。素焼きの鉢を使ったのは鉢表面から水が蒸発するんで乾期の下がりすぎる湿度を上げるためと、コストの問題だそうです。賢いっす。

ここで重要なのは、まずインドにも園芸施設を建設/整備する管理体制があるという事。そして日本までコールドチェーンで採算合う状態で空輸する体制があるという事です。ちなみにハウスの建設コストは内部灌漑施設まで含めて250万/反(単位間違ってません)。人件費は一人一日200円。また、資材会社にも行きましたが同時に環境制御装置を利用したミスト冷房、ファン、開閉装置の自動コントロールも可能だそうです(不思議と日本の数分の1の投資で)。

施設の技術的には日本の平均的な花農家のレベルはインドにぶっちぎられて置いてかれてますよね(環境制御装置と液肥のコンピューター制御なんて、いわいる日本で最先端といばってる先端農家と同じです。勝てるのは植物工場位かなぁ。でもビジネス的には、、。)。

正直、この写真をうちの役員会議で見せた時にはみなショックのあまり静かになりました。日本の農業は内輪でぼやぼやしてるうちにインドのいけてる農家には逆に教えを請う立場になってしまったのかと。また、差別化出来ない商品はこれから確実に生き残って行けない時代になったと思います。コスト勝負ではまず100%勝てない。

幸いな事(?)にインドからのナス科とウリ科の生鮮野菜とカンキツの輸入は病害虫の関係で禁止されてます(ちなみにブロッコリーなどのアブラナ科は輸入OK)。ただし、このシステム自体はどこの国にもパッケージとして導入可能です。いつ、あなたの品目が半額で同じまたは高い品質で輸入されて来るか分かりません。TPPやEPAの危機を嘆くのもけっこうなことですが、本当の危機とは国内産業を守りすぎたために、イノベーションから取り残された現状ではないでしょうか。

うちで進めているビジネスのプロジェクトの話はここにはかけませんが(そのうち、プレスリリースします)インドには可能性があり、技術的な障壁はなく、施設投資や土地の価格も安いとなれば、どんどん(あんまり国内の農業法人に迷惑にならない品目で)進めて行こうと思ってます。来年には数十haのハウスがもにょもにょ。