最近、仕事がめちゃめちゃ暇である。

 

と言うと、

「お前のようなロクに仕事のできないウスノロボンクラ野郎なんて年中暇だろうがっ」

とお思いの方も多いだろうが、決してそんなことはなく、具体的に反論させていただくと、例えば3月なんて、飯を食ったり寝る時間がないほどであった。

 

「過ぎたるは及ばざるが如し」

という諺があるように、何事もバランスが大事であり、忙しすぎるのも暇すぎるのも、都合が悪い。

3月にやっていた仕事の半分くらいの量の仕事が、暇な時期に来てくれれば「きっつー」とも「ヒマすぎるわ」ともならず、万事オッケィ一件落着なのだが、残念ながら仕事というやつは、こちらの様子を見て

「あ、あいついま大変そうだから、落ち着くまで待っといたろ」

とか

「あいつヒマしてるから、ちょうどいいくらいの量、いったろ」

などと、気を遣ってはくれないのである。

 

また、時系列以外にも、人と人との間にもバランスはある。

例えば、上司たるものバンバン部下に仕事を振って自分は一切仕事をしないものだが、責任だけは取らなくてはいけないから、重要な仕事では失敗してほしくない。

従って優秀な部下ばかりに仕事を依頼することになり、ボンクラにはいつまで経っても仕事がない。

優秀な人は

「どうして俺ばかり働かされなくちゃいけないのか。同じ給料なのにやってられないしなんなら殺したい」

と不満を持つし、

ボンクラはボンクラで

「俺はどうせボンクラって思われてるんだろうなーはぁ死にたい」

という気持ちになって、ここでも「アンバランス=悪」という構図が浮き上がる。

 

こう書くと、

「バランス最高! 不均衡最悪! 神よ、ありとあらゆるものにバランスを」

と感じたり思ったりする人も多いだろうし、実際私もそう思っていた時期があった。

しかし、今は違う。

私は不均衡のすばらしさを知ったのだ。

 

毎日朝が来るから人はさわやかな気持ちになれるのだし、夜が来るから寝ることができる。

夏があるから秋が待ち遠しくなる。

男女の違いがあるからこそ、男は女をなんとか口説いていてこましたいと思うし、同じ女でも違いがあるから、あーあの女ええな、なんとかいてこましたい、と思うのである。

違う意見の人がいるからこそ、発見がある。

日本人の全員の趣味がサーフィンで、しかもみんな同じ能力だとしたら、見ていてこんなつまらないものはないし、自分も同じことが同じレベルでできるのだから、他人を見ようとも思わない。

みんな一緒だったら、「あの人のようになりたい」と思うこともないし、東京とブエノスアイレスが全く同じ景色なら、行ってみようとも思わない。

 

つまり、アンバランスがあるからこそ、人は何かを感じたり何かをしようというモチベーションを持ったりするのである。

ということで、俺は今、暇を持て余している。