母が亡くなった。


91歳、癌のステージⅣと診断されてから12年、


もういいだろうと

充分生きただろうと

医師さえも言っていたが


終末期、いつもソファに横になっていて

ひ孫たちが来ていても、一緒に遊ぶことはおろか会話さえもしんどくても

みんなの声が聞こえているだけで幸せだと言っていた。


最後の手段のステロイドが効いて

魔法みたいに具合が良くなった時、

ああーよかった治って。どうなっちゃったのかと思った。頑張って食べて体力つけなきゃ!

と張り切っていた。


何かやりたい事がある訳でも

行きたい所も会いたい人も、特別な希望は何もなくて

母はただ、家族と日常をもっと続けていたかった。



50代の私は、ことあるごとに

ああ生きるのって大変

だとか

長生きも適当にできればいいけど

なんて言ってしまうけど、


母は、生きていくのがどれほど大変かなんて

重々承知した上で、それでも

もっともっと生きていたかったんだと思う。