すの担様はスルーでどうぞ
逆カルチャーショックという言葉を
聞いたことがありますか?
母国の文化や環境に強い違和感や
心理的衝撃を受けることを意味します
つまり自国文化に対する
カルチャーショックです
長期海外滞在から帰国すると
起こりやすい症状です
文章はお借りしました
うちではだいたい毎年1回は
日本へ一時帰国しています
オランダは大好きですし
教育はこちらの方が
うちの子たちに合っています
が、総合的には日本が
世界最高だと思っています
要改善点があるのは
どこの国も同じです
夢の国は某キャラクター国だけ
日本人は賢くて民度が高く
親切で誠実な方が多い
和食もお砂糖多めとはいえ美味しい
納豆・梅干し・もずく・天ぷら
ラーメンにフグにすき焼き
コンビニスイーツや居酒屋も大好きです
こうしてみると
自分はどこまでも日本人だなと思います
ですから逆カルチャーショックを
受けるなど考えてもみなかったのです
ある年一時帰国中に
イタリアンレストランへ
行った時のことでした
イタリア語でタベルナ=大衆食堂
と言われるカジュアルなお店でしたが
評判は良く地元のお客様でいっぱい
席に通されて出てきたのが
フォークとスプーン
日本だったらふつうですよね
ですが、その時のわたしは驚きました
ナイフがない?
これでいったいどうやって食べろと?
例えるならば
菜箸1本+通常のお箸1本
が出てきたような印象です
それに加えて
ヨーロッパでは
スプーンはこどもが使うもの
スープやデザート用以外では
大人は意地でも使いません
ただ、ここは日本でした
スパゲッティは
フォークだけで食べるもの
なので問題ありません
スープもスプーンでいただきます
ではサラダは?
たくさんある前菜はどうやって食べるの?
スパゲッティ以外で
ナイフなしで片手にフォークは
日本なら肘をついて
ご飯を食べているような気分になります
マルクト=市場で買ったB級グルメを
その場で家で食べるというならアリですが
レストランではちょっとねえ
ここは日本だと頭ではわかっていても
理屈抜きでナイフなしでは
どうにも落ち着きませんでした
やむを得ずお店の方にナイフを頼みました
「えっ ナイフですか」と言われましたが
こちらも「どうしてイタリアンレストランの
スタッフさんが驚くの」と逆にびっくりでした
一番驚いたのはそんな自分に対してでした
和食を頻繁に作るので
家ではいつもお箸を使っているからです
週に2~3回は食べ歩きをしていた
日本に比べて
オランダでは月に1回行くか行かないか
外食費が高くまた
おいしいレストランも限られているためです
プロテスタントの国ですから
食事はまずいと評判で自炊が基本
近年は改善されて
多少良いお店は増えましたけどね
ドリンクはどこも美味しいです
そんな状態ですから
こちらのマナーがしみついているとは
思わなかったのです
さらに言えばオランダ人は
ヨーロッパの中では
ガサツでマナーが悪い方です
ついで脳裏をよぎった光景がありました
渡蘭したばかりの頃訪れた
イギリスでの出来事です
上品な老紳士が
フォークとナイフで
スープカレー
のようなものを
召し上がっていらっしゃいました
実に美味しそうに
優雅にカトラリーを操りながら
お連れの方々と和やかに
談笑していらっしゃいましたよ
夫と私はあっけにとられました
あんなサラサラしたものを
どうやってスプーンなしで食べられるのだと
それが今のわたしたちだったら
多分できてしまいます
それしかこちらのレストランでは
食べる方法がありませんから
当然家ではスプーンでいただきますよ
他にも日本のドラマのワンシーンで
素敵な装いの美しいマダム御一行様が
スプーンでしかもお皿を持ちながら
ピラフを召し上がっている姿に
呆然としたり
スパゲッティをすする音を聞いて
反射的に振り返ったりとその年は
逆カルチャーショックの多かった
日本滞在でした
ヨーロッパでの
食べ物をすする音は
日本のお葬式に
赤い服で参列するようなもの
おうどんやラーメン
お蕎麦におそうめんならば
すするのは全く問題ないのですよ
これらは日本の食べ物で文化ですから
機会があれば
どうしてそこまで衝撃を受けたのか
日本とヨーロッパのマナーの違いと
ヨーロッパでなぜマナーが大切か
その背景を含めて書いてみようと思います