チョークタックルとは、キャリアーを倒す「チョップタックル」とは違い、キャリアーの背中側に回ってキャリアーを持ち上げるタックルのことで、モールパイルアップでターンオーバーを狙ったり、そのままボールに絡んでボールを奪い返すタックルのこと。
一人目のタックラーが正面から入っている状態で、アシストタックラーがチョークタックルを狙うが、一人目のタックラーが正面からタックルに入ってから身体を入れ換えてキャリアーの背中側に回ってチョークタックルに持っていくこともできる。
ちなみに、一人目が身体を入れ換えてチョークをするのが上手かったのは、元ジャパンのロック、ルーク・トンプソン選手で一人目でチョークをよく決めていた。トンプソン選手がチョークを決めると、キャリアーは前に出れないので、二人目は低くタックルに入る必要がなくなり、そのままボールを狙ってタックルに入ることができる。
最近では、一人目が背中側に回ってチョークを狙うのではなくそのまま味方側に向けて倒すタックルも増えてきた。
チョークは相手の重心を持ち上げることで、相手のコントロールを奪うものではあるが、腰をバインドして持ち上げる瞬間に重心を落とされてチョークが成立しなかったり、うまく腰を持ち上げることができたとしても、腰を支点に上体を曲げることで重心を腰から前方向に変えてチョークを防ぐことができる(これは元近鉄、現くすのきクラブの三原選手がプレイ中に気づいたこと)。
そこで、上体を持ち上げてチョークを成立させるのではなく、キャリアーの片方の肩を引き込み重心を後方に変えることで相手のバランスを崩してコントロールを完全に奪う方法を伝授。
後方に力のベクトルを持っていくことで前方に倒れることはできず、後方に倒れようとしてもタックラーがいるため倒れられない。持ち上げるよりも大きな力を必要としていないため、使い勝手の良いテクニックで短い時間ですぐに習得してくれた。
さらに習得するだけでなく、大成自身が練習中に「脇をさせばもっと簡単に相手をコントロールできる」という方法を思い付いた。三原の「チョーク破り」といい、指導者のアイデアを越えてくれたことは指導者冥利に尽きるし、まだまだ一つ一つのスキルについて考える余地があると気付かされた。