元気になった。
実感する。

声がでる。
笑える。
歩ける。
写真に写ってもいいと思った。

ここが痛いとか、だるいとか、重いとか。
日常でそう感じることがなくなった。

誰かが車の中で歌を歌う。
それにつられて、自分も歌える。
声に出して。

声を出す。
そんな力もなかったのだと思った。

普通に歩ける幸せを思っていた。
そう。
布団の上に座っていることもできなかったのだ。
抗がん剤のとき。
薬を出す力がなくて、父に出して用意してもらっている間でさえ。
座って待っていたのに。
辛くて布団に倒れた。
目をつぶって息が整うのを待っていた。

コップひとつ洗ったら、立っていることが無理だと、リビングに敷いてある布団に倒れこんだ。
包丁で、何かを切ろうとしたら。
ひとふりで、立っていられなくなって、倒れた。
それも、抗がん剤クール終わって2週間くらいたって、元気が出たからこそ、その行動に出たのに。

そりゃそうだ。
座ることさえできないところからだ。

このままの時間で、いたいな。