「こたつ記事」を見抜く力を備えないといけませんかね
https://bunshun.jp/articles/-/70241?page=1
今回は「こたつ記事」について考えてみたい。こたつ記事とはテレビ番組での芸能人やコメンテーターなどの発言をそのまま引用して伝える記事だ。中には著名人のSNSやブログからコピペしただけのように見えるものもある。取材をせず、こたつの中に入ったままで書けるから、そう呼ばれている。
毎度お恥ずかしい限りですが、「こたつ記事」という言葉を初めて知りました。
でも、「そうそう、今の世の中ってそんなんばっかじゃん」と、すぐに思いました。
こたつ記事の問題点として、
- 労力をかけずにPVを狙うこと
- 報道機関に求められる「価値判断」や「検証」といった役割の放棄
- 検証しないまま報じることでうそや間違いを拡散させてしまうこと
などを指摘している。
「検証」(ビジネスならPoC=Proof of Concept)は、どんなことにおいても必須だと強く思いますが、「価値判断」はどうなんでしょうかね。
私は常に、「提供価値」があるかないかが一番大切である(※)と考えてはおりますが、「価値」って人それぞれですから、すごく難しいわけです。
そうそう、こたつに入ったまま書けるから悪いんじゃない。論考や論評がないからダメなのだ。やはりここでも指摘されている。私は能町さんと2024年3月にトークライブを行ったのだが、その時にこたつ記事の話も出た。ネットを掘り起こして論考を加える“能町手法”には常々敬服していたので、まさにプロのこたつ記事だと伝えた。そして私がやっている当コラムも新聞や雑誌の読み比べが武器なので、こたつ記事であると自負している、と。
大事なのは何を引用するかであり、見つけた記事に対する論考をどう展開するかだろう。能町さんを見習いつつ、「お互い最高のこたつ記事を目指しましょう」ということになった。
激しく同意(禿同)です。
今、ただの事実だけを迅速に伝える役割は、記事ではなくXなどのSNSです。
いまさら過ぎて恐縮ですが、『5W1H』(「Who(だれが)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」)のうち、「なぜ」の「なぜそれを記事にしたのか?」がなきゃダメなんですよね。
はい、もちらん自省を込めてです(* ᴗ͈ˬᴗ͈)”
これでは有名人の発言だけを載せるこたつ記事そのものではないか。いや、自分で火をつけておいて、あとは他人が怒るのを待つだけというイヤらしさは、通常のこたつ記事よりずっと姑息だ。朝日新聞はなぜこの時点で麻生氏の発言がダメな理由を書き、批判をしなかったのか。冒頭で紹介した記事を思い出してほしい。朝日新聞が書いた『やめられぬ「こたつ記事」スポーツ紙が陥ったジレンマ』だ。ここで何を書いていたか?
《ツイッターなどでの著名人の発言に批評や検証を加えず、そのまま紹介する記事はネットメディアなどで10年ほど前から目立っていた。》
同じ手法を使っているのに、この二枚舌はなんなのだ。ちなみに朝日新聞はこたつ記事の「解決策」として、
「マスメディアはPV競争からは撤退し、有料でも読まれる記事の発信に力を注ぐしかない」
という識者の言葉を紹介していた。朝日新聞さん、他人事ではないですよ。
https://www.asahi.com/articles/ASS1X6TX1S1XUTFK00T.html
まあ、このような二枚舌というか、まるで「放火」のような「こたつ記事」というのは、残念ながら今後も続くんだと思います。
そうであるならば、読者側が変わらなきゃいけないって思うんですよ。
記事の内容云々も大切ですが、それよりも今の時代は、読者側が「うそや間違いを拡散」することが、一番悪影響を与えていると思えるからです。
ですので、「なぜそれが記事にされたのか?」を、まずは自分なりに考え(「見抜く力」)、それを付加したうえで拡散すれば、まあ、今よりはだいぶマシになるかなーって。
♪この眼で勝ち線 見抜く見抜く見抜く 無理線超え唯一無二 スリルだけが栄養素 成り行きまかせで勝負♪
以上になります。
※明らかに「提供価値」がないコンテンツであるにも関わらず、Internetには「アリバイ作り」としてだけのデジタルデータが、あまりにも多過ぎるため。