ニュースを見て不安に思うこと

私のような経済ど素人が誤解しないような配慮が必要だと思います


https://toyokeizai.net/articles/-/737030

IT大手のDeNAは2024年2月7日、2024年3月期第3四半期決算(国際会計基準)を発表した。売上収益は前年同期比2.7%増の1,041億円だった一方、営業損益は276億円の赤字(前年同期は50億円の黒字)に転落した。通期でも赤字となる見通しという。

この決算を受けて、DeNAの株価は急落した。足元では1,250円前後と、2024年2月7日終値の1,528円と比べ2割近くも下がっている。

赤字に陥った最大の要因は、約276億円の減損損失を計上したことにある。

営業損益と減損損失が同じ276億円?

これってどういうことですか?

そもそも、「減損」とは何かということは、一般的に知られているのでしょうか?

ということで、DeNAの決算書を、簡単にですが調べてみました。


■2024年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/2432/tdnet/2390640/00.pdf


もちろん、営業損益と減損損失が同じわけありません。

減損損失の理由は、帳簿価額を回収可能価額が下回ったためであり、その金額は276.93億円(四捨五入だと276億円ではなく277億円)で、内訳は以下のとおりです。

  1. ゲームタイトル:115.26億円
  2. 株式会社IRIAMのライブストリーミング事業:93.46億円
  3. 株式会社データホライゾンのヘルスケア・メディカル事業:36.12億円
  4. 日本テクトシステムズ株式会社のヘルスケア・メディカル事業:19.78億円
  5. スポーツ事業:12.30億円

冒頭の記事だけを読むと、「ゲーム事業がうまくいっていないために、PL(損益計算書)の中で276億円もの多大な損失を出してしまったのか」などと勘違いする可能性がありますが、けっしてそうではありません。

まあ、その後の記事の内容がゲーム事業についてですから、そうせざるを得なかったのかなとも思われますが、たとえばDeNAの決算書へのリンクURLを記載するなど、もう少し経済ど素人に向けた配慮が必要だと、私は思いました。

おかしいなーって思った部分を、もう1か所だけ。

89億円の減損を出したIRIAM社はVTuberアプリを展開しており、2021年に完全子会社化した。DeNAの岡村信悟CEOは2024年2月7日の決算説明会で、「(IRIAMは)しっかりとコミュニティが形成されていて、確実にサービスの基盤を作ることを大事にしていく。マネタイズやユーザー獲得施策は当初計画よりも丁寧に進めており、業績面では時間を要している」と説明した。

決算書によると、以下のように記載されています。

(a)ライブストリーミング事業に含まれる株式会社IRIAM

当第3四半期連結累計期間において、当初想定されていた収益が見込まれなくなったことから、見直した将来キャッシュ・フローの予測に基づき減損テストを実施いたしました。

減損テストにおいては、当第3四半期連結累計期間にマネジメントが承認した5年以内の事業計画を用いて将来キャッシュ・フローを算定しております。

将来キャッシュ・フローの見積りにおける主要な仮定は、将来事業計画における売上収益に係る利用者数及び将来事業計画の期間経過後の成長率、並びに割引率であります。

回収可能価額は使用価値に基づき、加重平均資本コストを基礎に算定された税引前の割引率14.5%で現在価値に割り引いて算定しております。

減損テストの結果、回収可能価額がのれんを含む固定資産の帳簿価額を下回ったことから、減損損失9,346百万円(のれん8,912百万円等)を認識しております。

♪相乗効果でライバルいっぱい ストップ高♪


以上になります。

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