仕事を終えて

帰宅したら

一人分だけ残された

冷めた夕食を

いつも一人で

温めなおして

食べるんだけど。


その日は

いつもと違って

お盆にものっていない

豆腐ハンバーグ(冷食)と

枝豆(これも冷食)と

いり卵(唯一の調理品?)が

無造作に置かれていた。


それらを温め、お盆にのせ

居間のテーブルに運び

一人でたいらげる。


夜は米を食べないから

あっという間に

夕食は終わる。


片付けも当然のように

自分で皿を洗い拭きあげて

食器棚に戻す。


片付けが終わった頃

母ちゃんが

風呂から上がってきて

片付け終わった台所を見て

こう言った。


あれ、もしかして

ここにあったいり卵

食べたよね?

あれ、明日の子ども達の

朝ごはん用に作って

冷ましといたんだけど。

明日、子ども達の

朝ごはんが足りないと思って。

あー、また作らなきゃ。


どうやら自分の夕食は

豆腐ハンバーグと

枝豆だけだったらしい。


慌てて冷蔵庫から

生卵を取り出し

フライパンを温めて

自分が食べてしまった

いり卵を作り直す。


変だと思ったんだよね。

自分は甘いいり卵は

好きじゃないから。


いり卵を作っていた時

「子ども達は

甘いのが好きだから

砂糖入れて。」って

後ろから声がした。

なんか情けなかった。


作り終わった時には

母ちゃんは

もう2階に上がっていた。


今度から甘い卵料理は

うっかり食べないように

気をつけなくちゃ。