遅くなって申し訳ない!では今回はジョン・ウィック語り後編ということでパラベラム(チャプター3)とコンセクエンス(チャプター4)について語ります。ネタバレするので注意です。

【主な登場人物】

ジョン・ウィック(ジョナサン・ウィック)
3で犯罪組織ルスカ・ロマ出身の孤児であることが明かされ4でジョナサンという名前も判明した
相変わらずキレッキレのガンアクションを魅せる。3では刀やナイフを、4ではショットガンなどの重火器を使う

ウィンストン
NYコンチネンタルホテルの支配人
ジョンと共に首席連合と戦う道を3(パラベラム)では選んだが3ラストでジョンを敢えて撃って生き延びさせる。4(コンセクエンス)ではコンチネンタルホテルをグラモン侯爵に爆破解体されるもグラモン侯爵との決闘の際にジョン・ウィックの代理人を務める。シャロンのことは頼もしい友だったと語っている。

シャロン
NYコンチネンタルホテルのコンシェルジュ
3(パラベラム)では聖域指定解除されたホテル内でジョン・ウィックや複数の従業員と共に首席連合の暗殺部隊と熾烈な戦いを繰り広げる。4(コンセクエンス)ではグラモン侯爵にウィンストン共々呼び出されウィンストンの目の前でグラモン侯爵に射殺されてしまう。シャロンを演じた俳優のランス・レディックさんが2023年に亡くなったためコンセクエンスのスタッフロールで追悼メッセージが流れた。

ケイン
4で登場、演者はドニー・イェン。ジョン・ウィックの親友でジョン・ウィック同様暗殺稼業を引退した身ではあったが首席連合に娘を人質に取られてジョン・ウィック抹殺のためやむなく殺し屋に復帰し、行く先々でジョン・ウィックと対決したり共闘したりするライバルポジ
盲目だがむちゃ強い。白杖が仕込み刀になっている。大阪コンチネンタルホテルでの戦いでは親友でもあったシマヅを敗死に追いやり、シマヅの娘であるアキラに命を狙われる。決闘ではグラモン侯爵の代理人を務めるが侯爵に脅迫され、実際に戦ったのはケインであった。

シマヅ・コウジ
4に登場。演者は真田広之。ジョン・ウィックの旧友で大阪コンチネンタルホテルの支配人。着物にスーツを羽織りはっきり言って(ステレオな)ヤーさんにしか見えない。首席連合からジョンを一時的に匿う。大阪に首席連合の暗殺部隊が送り込まれた際にジョンと共闘するもジョンを逃がすためケインと刀で一騎討ちを繰り広げるも、敗れて死亡する。

シマヅ・アキラ
4に登場、コウジの一人娘で大阪コンチネンタルホテルのコンシェルジュも担当している。大阪で首席連合の暗殺部隊が来た際にナイフや弓矢を用いて戦う。苦戦をしつつもジョンとの共闘で勝利を収めたが、目の前で父、コウジがケインによって死亡しケインに復讐を誓う。

首席連合の首長
頭にターバンを巻き、モロッコの砂漠で集落を開いている。アラブ系(モンゴリアン系?)の老人。ジョンが自身への暗殺指令を辞めさせるために出向くが暗殺指令を差し止めるために首長が要求したのはジョンの薬指(あと結婚指輪)とウィンストンの抹殺だった。
4では3の失態で消されたのか代替わりしたのかは不明だが別人の若い男に変わっておりジョンは新しい若い首長を躊躇なく殺害する。
そのせいで4の動乱が起きたと言えなくもない。

ソフィア
3で登場、ジョンと同じ愛犬家で飼い犬に格闘術を仕込んでいる。モロッコでジョンの事を終始応援、サポートした。

ゼロ
3で登場、普段はきゃりーぱみゅぱみゅなどの日本のポップ曲を流し(文面だけみると嘘だと思えるだろうがガチ)NYで寿司屋を開くアメリカ人の店主。裏では忍者集団を率い従え、暗殺をする頭目である。裁定人にジョン・ウィック暗殺を依頼され、歯向かえば死なので了承する。3のラスボスで最終決戦ではジョン・ウィックをカンフーっぽい武術で圧倒するがジョンと忍者刀での斬りあいになってからは徐々に押されていき、ジョン・ウィックに急所を貫かれ、絶命した。ラスボスとしての単純な戦闘力なら恐らくシリーズの中では今のところ一番強いラスボス
聖域指定解除される前のNYコンチネンタルホテルでジョン・ウィックを英雄視し彼を目の前にし興奮気味にファンを自称する。なんかはっちゃけてて可愛いシーンなので見どころ。

裁定人
3で登場、タトゥーを入れ、青いドレスを着た女性で「首席連合」の代理人。彼女自身は戦闘をしないがジョン・ウィックに手を貸した人間の前に現れ、次々と制裁を加えていく…と同時にジョン・ウィック暗殺をゼロなどのNY中の殺し屋に依頼し聖域指定解除を施した上で首席連合直属の暗殺部隊をNYコンチネンタルホテルに差し向けた。
権力に酔ったような冷徹で傲慢な態度が特徴(というか首席連合系のキャラはみんなそんな感じ)

バワリー・キング
3と4に登場、3でゼロの忍者集団に部下をやられ、自身も2でジョン・ウィックに7発の銃弾を渡したことで裁定人に7回全身を切られる。死にはしなかったもののこれ以降キングは地下の奥深くにアジトを変え潜伏し首席連合への報復心を抱くようになる。3のラストでジョン・ウィックを助けて報復に利用できそうだとし匿う
。ジョンとは協力関係にある。

ディレクター
3に登場。ルスカ・ロマのボスで某柳徹子みたいな髪型をした黒髪の初老の女性
初登場シーンではNYの拠点の劇場でバレエダンサーをスパルタレッスンしている。ジョン・ウィックのことをもうジョンは追放処分にあるから協力できないとして最初はモロッコへの渡航を拒否したがジョン・ウィックがチケットを見せることで渋々協力する。…がその後ジョン・ウィックに協力した罪として裁定人が現れナタで両手のひらを貫かれ、首席連合への忠誠を改めて誓わされる。
ルスカ・ロマはジョン・ウィックがかつていた孤児院およびロシアンマフィアの名前で孤児を引き取って暗殺者に養成する場所のひとつである。

カティア
4で登場。ベルリンに拠点を移したルスカ・ロマのディレクターの後継として登場した新しい首領。ジョンを絞首しながら尋問し、ファミリーに復帰し協力を得たいなら親の敵の「キーラ・ハルカン」の暗殺をするように要請する。

キーラ・ハルカン
首席連合の一員でベルリンのナイトクラブ「天国と地獄」のオーナー。巨漢だが体術に優れバットマンのペンギンや芸人の芋洗坂係長みたいな動けるデブ。首を切られて負傷してもジョンと互角に戦えるほどの戦闘力を持つ
イカサマ師としても一流でポーカーでジョン、ケイン、トラッカーの3名にいい手札になるように仕向けて最後は必ず自分が勝つような手札を用意したりした。ジョン・ウィックに倒されキーラを倒した証拠として金歯を抜き取られる。

トラッカー/Mr.ノーバディ
暗殺者というより裏社会の賞金稼ぎとして登場する若い男。犬を連れており、3のソフィア同様に犬に格闘術を仕込んでいる。自身もレバーアクションライフルを使う。ジョン・ウィックの懸賞金が膨れ上がるのを目当てに(ノートに書かれた目標額は5000万ドル)行く先々でジョンを援護したり戦ったりする。グラモン侯爵に賞金が上げるように交渉して(いわく老後の年金)侯爵の逆鱗に触れナイフで手のひらを貫かれたりするも信念は決して曲げずジョン・ウィックと出会うたびに徐々に敵対関係だったのが友情に変わり最終的にジョンと共闘する道を選び、侯爵の部下チヂィにトドメを刺しジョンとケインの決闘を愛犬とともにベンチで見届けた。

チヂィ
グラモン侯爵の腹心で行く先々でジョン・ウィックと戦闘をするタフガイな男だが最後はジョン・ウィック(と共闘したケインとトラッカー)の前に敗れ去る

ヴィンセント・ビセ・ド・グラモン侯爵
4のラスボス。いかにもな悪役セレブで4でジョン・ウィックが首席連合首長を殺害したことで首席連合に全権を委任されトップに成り上がる。手始めにNYコンチネンタルホテルを爆破処分し、賞金稼ぎトラッカーの手のひらにナイフを突き立て自分に協力するように脅したりケインの娘を拉致しケインが協力しなければ殺すと脅してケインを渋々暗殺業に復帰させる。中盤ジョンと直接対面しジョンの決闘を受け入れる…がパリにあるラジオ塔で終盤ラジオパーソナリティを通じジョン・ウィックの居場所を夜間ラジオ番組で通知してパリ中の殺し屋・マフィアを懸賞金を徐々に跳ね上げる形(最終的には5000万ドルまで跳ね上がった。)で差し向けた。卑怯で狡猾な小心者で2のサンティーノに通ずるところがある。最期は決闘のルールを無視してケインの銃を奪いジョンにトドメを刺そうとしたが弾を撃ってなかったジョンに眉間を撃たれてあっさり死ぬ。グラモン侯爵が死亡したことにより首席連合は決闘の約束通りケインとジョンに干渉するのを辞め、2人は自由の身になった。

【感想文】
3は名作、ストーリーの起伏が激しすぎてどこでトイレ行ったらいいのかわからなくなるけど(4も似たような面があるがストーリー的に重要なアクションシーンとそうでないアクションシーンが3より分けられており見れば判断がつくと思う)ジョンがシリーズを重ねるたびに良くも悪くもMGSのビックボスや映画版バイオのアリスのように超人化していくなぁと思いました。

復讐対象も3以降個人というよりかは全貌が見えない=顔のない組織になっているしその組織が裏社会での政府みたいな存在なので、追放処分になったため周りからの協力も得られず(友好的な友人以外はほとんど顔が利いて優秀だった人材だから渋々受け入られてる形のため)ほとんど孤軍奮闘ですよ。

2ラストで言ってた「立ちはだかる者は、誰であろうが、全員殺す。」と宣言したとおり復讐のため(ひいては自由の身になるため)知ってる顔も知らない顔も殺していくことになるのは(全てを失ったとはいえ)ある意味で悲しい存在だなとは思いました。

殺し屋として育て上げられたから殺しが辞められないブラクラのヘンゼルとグレーテルみたいな?感じで(もちろん快楽殺人と報復殺人は別物であるが)そんな暗い話だからこそみんなが3や4で描かれたラストはハッピーで終わる結末はないしジョンもケインもその他主要キャラも自由への代償(あるいは何かを手に入れるための代償)として「報い」を受けるわけですよ。それが今まで殺してきた、犠牲にしてきた奴らの怨念とでもいいましょうか…霊的なものではないんですけど、裏社会という社会の闇の中で生きる彼らの運命はかなり呪われてるなとしか言えないわけです。

ここからはラスボスについて語りますね。ゼロもグラモン侯爵も違う強さのベクトルや追い詰め方で主人公を葬ろうとする悪役です。3のゼロは忍者集団を従えてるってキャラ紹介で触れましたけどその忍者集団がモブでも単なる雑魚ではなく各々の身体能力が高めでそれが数人規模で波状的に攻撃を仕掛けてくるためタフネスさに全振りで超人化したジョン・ウィックといえども苦戦を強いられるわけです。(ましてや軍の特殊部隊並みの装備と防御力と人海戦術でやってきた首席の暗殺部隊を倒したあとだから尚更)

そんでその自分と同じようなタフガイ共をゼーハゼーハ言って倒したところでゼロが現れる絶望さは半端じゃなかったし、ゼロも個人としてはジョン・ウィックという裏社会の英雄を尊敬していたわけですし首席連合の命じゃなければ殺したくはなかったはずです。

(実際に最終決戦でゼロはなんで俺達は殺し合わなきゃいけないんだろうと趣旨の胸の内をジョンに語りかけていたので)まあ死闘の末に最終的にゼロは命を落とすのですが…

4のグラモン侯爵は身体能力は並の殺し屋レベルですが(※描写されたシーンはほぼないですが裏社会の人間だから一般人よりはある程度は強いと思われる、シャロンを早撃ちで葬ったり、トラッカーにいきなりナイフを突き立てたりしそれらの動作が躊躇いがなく非常に早いため)圧倒的財力と頭脳と権力でジョン・ウィックを追い詰め自身は決して表舞台に立とうとしない狡猾な貴族として描かれます。2のラスボスサンティーノを権力に全振りで鬼強化したようなキャラ。演者のビル・スカルスガルドが過去にペニーワイズ役で出演したリメイク版「IT」で見せたような邪悪な笑みすら時折浮かべます。しかしどこか憎めないあどけなさが残ったフランクな笑みを普通にたたえるシーンもありますし笑顔の使い分け方が絶妙に上手い。

ジョンからの決闘も内心嫌そうな顔を時折浮かべルールだからと受け入れてます「彼は決闘の場所に来ないだろう(意訳:その前に死ぬからな)」とたかをくくってウィンストンに「決闘に遅刻した者は本人(ジョン)と代理人(ウィンストン)共々葬られる、それが君が知らない古来からのルールだ。」と解説します。

そして終盤ラジオ塔にてファミリーに復帰したとしても追放処分中であるジョン・ウィックを高額の懸賞金を餌にパリ中の殺し屋たちをジョンが決闘を申し込んだ場所に差し向けます。彼と殺し屋たちが戦闘してる場所を次々と他の殺し屋と雇ったトラッカーからの目撃情報から仕入れ、ラジオでパーソナリティを介しそのたびアナウンス。

最後は廃屋と階段にチヂィを向かわせ確実に葬ろうとするも決闘場所までの共闘を組んだジョンとケインとトラッカーの前にチヂィも敗れ去ります。このことに内心ビビりながら憤慨しつつも決闘をします。しかし事前にケインを脅して代わりに決闘をさせ、(※本来代理人に決闘をさせることはできないが権力とマイルールで変えてる)ここでも自分の手を汚そうとはしません。

しかし数発目の弾丸で重症を負ったジョンを目にし(これは勝てる!)とでも思ったのでしょう。最終的にケインから銃を奪い弾を込めトドメを刺そうとしますが友人を殺したくはないという思いからジョンは弾を撃っておらずジョンの反撃にあってあっさり死亡します。ラスボスといえども色んな人々を虐げて殺してきたので4でのテーマである「報い」からは逃れられなかったんですね。その後ジョンとケインは決闘に勝利した報酬として「自由」を与えられます、しかし…。

【映画総評】
ジョン・ウィック:パラベラム…S(名作)
ジョン・ウィック:コンセクエンス…S(名作)

アクションシーンやストーリーも軽く語らせてください!2から格段にアクションにも磨きがかかっておりジョン・ウィックの痛々しさも指を切り落とす、絞首刑にされかける、手をナイフで貫かれたり、階段から転げ落ちたり…など痛々しいと言ってもバリエーションに富んでて目を覆いたくなるシーンも少なからずあります。しかしそれでもジョン・ウィックは戦う、目的のために、戦い続ける…。それしか生き残る術は、ないのだから。たとえどんな未来が待っていようとも歩き続ける

ジョン・ウィックシリーズのいいところは息を吐くように殺し合いが続きますが過剰に殺し・復讐を美化しないところで他のアクション映画とは差があります。わかりやすくいうと各々が自身の目的で動いてるとでもいいましょうか、ジョンは自由になるために、ケインは娘の解放のために、トラッカーは今後の生活のために、ゼロは自分が生き残るために、アキラはケインへの復讐のために、グラモンは名声を得たいために…など色んなキャラの思惑が重なりあってようやくいいストーリーになるというか。

肝心のアクションシーンも刃物(ナイフにはじまり忍者刀、斧、カッター)や本、果てはヌンチャク、弓矢、そして伝説の鉛筆など銃器以外にも色々あり銃器もアサルトライフルやショットガン、レバーアクションライフルなど色んな武器のバリエーションがあって飽きさせない工夫があっていいなと思いました。

4の終盤廃屋でマフィアと戦うシーンがあるんですけどそこの1カメでの見下ろし視点のクォータービューとか個人的に初代POSTALを彷彿とさせて最高でしたね!ジョン・ウィックと周りのキャラが世界をまたにかける描写もNYからモロッコ→日本→パリなど場所も豊富で移動するたびにダーティーハリーっぽいところもあるし戦闘もあるのでアクション映画好きは見て損はない作品に両作仕上がってると思います。4で綺麗に畳んだのにキアヌと監督によればまだ続編作るみたいですが…汗。コケないといいけどと思う反面新作が公開されたら今度こそ劇場に足を運んで見に行きたいなと思っています…

それでは今回はこの辺で、また会いましょう。またね~!(^_^)/~