味噌には、天然醸造(てんねんじょうぞう)と加温する速醸(そくじょう)という方法がある。
天然醸造(てんねんじょうぞう)とは
仕込んでから人為的な加熱をしないで、約一年間ほど寝かしたお味噌のこと。添加物を入れていない。味噌の歴史が1300年以上有りますが、1300年前からある昔ながらのつくり方。
速醸(そくじょう)法とは
仕込んだ味噌を加温できる部屋に置いておいて、味噌を強制的に発酵するやり方。温醸、即醸ともいいます。
まず、1950年の食糧不足、食糧増産体制の時に、この加温する方法は活躍しました。
味噌を一年寝かさなければいけないのに、3ヶ月で問題ないので、原料さえ確保できたら、生産量が約4倍になります。しかし、味噌本来の味や香りが乏しいこともしばしばあるようです。足りないコクを補うために、食品添加物の旨味調味料を入れて販売しているそうです。
「ヨーグルトメーカーで2日半で味噌ができる!!」
という驚きの情報を元に、自家製、速醸味噌を仕込んでみたわけですが、その後を報告いたします。
出来たての自家製保温味噌(以下、速醸味噌と呼びます。)は、なんだか芋っぽい香りで、味も何か物足りない感じ。
お味噌独特の豊かな香りに欠けるものでした。
天然醸造のお味噌の美味しさを知っている私には、「もっとお味噌は美味しくなれるはず!」という気持ちがありました。
1ヶ月置いてみたら、カビっぽいものができました。
「やはり、これは味噌ではないなっ!」
と感じました。乳酸菌がいないのでしょう。
天然醸造の完成したお味噌は、乳酸菌バリアーで守られています。
常温でも私はカビたことがありません。
この速醸味噌をどうしたものか、と考え、実験してみることにしました。
酵素の働きで発酵したけど、酵母、乳酸菌が足りないもの、と予想し、その2つをどう補うかという考えから、
①糀を混ぜてみる。(糀)
②完成した味噌を混ぜてみる。(種みそ)
という作戦を実行しました。
混ぜながら、空気中の微生物も取り込みつつ、ジップロックに詰め替えました。
その後、2日で、②の種みそ入りの方は、微生物の働きが盛んになり、「湧き」の状態になりました。
たったの2日で、明らかに香りも変化していてびっくり(✽ ゚д゚ ✽)
微生物すごーーーい。
2週間後、①の糀入りの方も、同じく「湧き」っぽい感じになり、どちらも強いアルコール臭がしています。
あまり美味しくはなってないかなーー?
この先どうなるかわかりませんが、結局、凉しいときに仕込んで、放置して、夏を越す、いろんな温度帯を味噌が経験する。
そんな古典的な仕込み方以上の味噌の仕込み方が、未だに発明されてない。
そこに感動してもらえたら、、、と思います
「食べる楽しみ」、だけでなく、「作る楽しみ」、そして、「待つ楽しみ」
一緒に、味わってみませんか??
(追記)
投稿から1年経ったので、改めて味見をしてみました。
見た目はこんな感じ。
まず香り。
①糀を混ぜてみる。(糀)の方
以前よりはずっと、発酵物らしい香り。でも弱い。
②完成した味噌を混ぜてみる。(種みそ)の方
①よりは気持ちいい香り。でも普通の天然醸造に比べるといまいち。
味。
どちらもなんか嫌な苦味みたいなのがある。
1年前よりは相当ましにはなったけれど、美味しくはない
また1年放置したいと思います。。。
手作り速醸味噌、味見したい方、歓迎します!