俳優座へ入団したばかりの頃、
ベテランおじさま俳優二人に誘われて、俳優座の裏の路地にある居酒屋へと連れてっていただいたことがある。
可知靖之さんと河原崎次郎さんだった。
その当時、私はまだ夜にお店へ行くなら夕御飯を食べたい中学生みたいな21才。
おじさま俳優二人は、クジラベーコンなどというものを注文して、私に食べろ食べろと言ってニコニコしていた。
そのあとは、ずーっと芝居のお話をするお二人。
「あ、もう少し大きくなってから、また話そうな」とまたニコニコして私に言っていた。
私が舞台でご一緒できたのは「収容所(ラーゲリー)からの遺書」と「気骨の判決」という舞台。
河原崎次郎さんの、その熱量とお芝居の圧を、もっともっと今の新人の俳優に体験して欲しかった。
幸いなことに、時代劇や映画やドラマで河原崎次郎さんを観ることができる。ぜひ今の人に観てほしい。
俳優座Youtubeチャンネルに河原崎次郎メモリアル映像がアップされました。
なにより私が一番、河原崎次郎さんのファンなんです。