深刻な後継ぎ問題(高齢化・後継者不足・耕作放棄地の増大)
~原因はもうからない農業~
大部分の農家は、自分の狭い農地だけでは十分な所得を得ることができない。また、父母が元気に農業を行っているうちは、子供の手伝いを必要としないケースが多い。
このため、子供はほかの産業に就職し、自分の家で農業を行うよりも高い所得を上げることができるため、次第に農業から遠ざかっていくケースが多い。
2003年1月現在、販売農家の経営責任者は、全国で220万人だが、その58%が60歳以上で、65歳以上の高齢者が44%にも達し、平均年齢は61.6歳となっている。サラリーマンなら通常60歳前後で定年だが、農業は定年後の人によっておもに担われている。
販売農家の54%には農業後継者が同居しているが、そのうち、おもに農業に従事しているのは7%だけで、残りの者はいずれ親の跡を継ぐものの、目下はほかの産業に従事している者などである。
父母が高齢化していよいよ農業をできなくなり、後継者のいない場合には、農業をやめることになる。
そして、農地を貸すか売却できない場合には、「耕作放棄」といわれるほったらかしの状態にせざるを得なくなる。
全国の耕作放棄地の面積は1990年から増え始め、2000年には21万haに達した。
耕作放棄地の割合は、人口の流出している山間地とその周辺の中山間地域で7.1%と最も高く、次いで子供が他産業に従事しやすい都市部の農業地域で5.8%、平地の農業地域で3.2%と最も少ない。
中山間地域では自家用車で通える農道のない場合や、トラクタで作業しやすいように整備されていない耕地から放棄されてしまう。耕作放棄された棚田では、階段状の水田が崩れるなどして災害も起こりやすくなってきた。